駒田一＆屋比久知奈が劇場から飛び出して！「舞台ではできないことをこの公演でやれたら面白い」＜インタビュー前編＞

屋比久「こういう場だったからこそ挑戦できた」

―― 配信という点で気に掛けられたことはありましたか？

駒田：気に掛けなきゃいけない要素っていうのはもっとあったんだろうな、っていう反省はありますね。

映像にすることで変わってしまう生の臨場感を、(映像で)いかに引き付けなきゃいけないかっていう努力はもうちょっと僕らの中でしなきゃいけないことなんだろうなって、その瞬間は感じなかったんだけど、あとあと考えると感じましたね。だから、難しい作業だと思いますね、配信というのは。

―― 配信をご覧になったファンの方々は「画面を通して迫力が伝わった」「鳥肌が立った」など、SNS上でとても盛り上がっていましたね。

駒田：そういった声はうれしいですね！

屋比久：うん！ うれしい！

駒田：(感想を)直接は聞けないにしても、のちのち聞けるってことは、やってよかったって、決して駄目ではなかったんだなって思いますね。

ただ、そういう言葉ばかりをうのみにしてしまうと、いろいろなご指摘もあるでしょうから、もっともっといろいろなことを僕らも考えて「次回の時は」って、先にも言いましたけど、ちょっと反省点でもありますよね。でも、うれしいな。(屋比久さんに向かって)

屋比久：うん、うれしい。

―― 先ほど、屋比久さんの周囲から感想が届いたということでしたが、駒田さんはいかがでしたか？

駒田：笑われましたね(笑)。僕が若い男性のクリス役で歌ったりしたので、「いくつだよ！(笑)」って、言われましたね(笑)。

でも、それが面白いんじゃん！ って。(舞台の)本編ではできないライヴだから、それを「よかった！」じゃなくて、「面白かった！」って、言ってもらえたのはよかったなと思いましたね。

でも、評判はよかったですね。それで、次もやるって伝えたら「楽しみ」って言ってくれているので、普通のことをやるのではなくて、ありきたりのことをやるのではなくて、この公演でしかできないことをやりたいですね。

制限されることはもちろんいっぱいあるんですよ。でも、制限される中で舞台ではできないことをこの公演でやれたら面白いなって、抑え付けられるだけじゃなくて、この中でしかできないことを見つけられたらなっていうのが、ずっと僕の中にはありますね。

屋比久：でも、そういう意味では(前回)「One day more」(「レ・ミゼラブル」より)を2人で歌わせていただいたんですけど、本来は大人数で歌う楽曲を、2人で歌ったことに対しての感想が私の周りでは一番多くて、やっぱり「One day more」が一番印象に残っているって。

それこそ今、一さんが仰ってたように絶対に舞台ではやることがないというか、こういう場だったからこそ挑戦できたことだったと思うので、それを楽しんでいただけたっていうのは、すごくよかったなって思いました。

駒田：他の舞台でもそうなんですけど、自分以外の役の楽曲って、(舞台の)袖にいたり、楽屋にいたりすると口ずさむことが僕らよくあるんですね。

毎日のように稽古場でずっと聞いているわけですし、一生歌うことがないだろうなっていう曲も口ずさんでいて、それを実際にマイクの前で、みんなの前で歌ったらどうなのかっていうトライですよね。

「One day more」は、一人で全部(のパートを)口ずさんだりしていたから、そういうところが(配信公演の)始まりみたいな感じだったのかな。2人だったら、できないことはないんですよ。

何かを削られる瞬間はいっぱいあるんだけど、ギリギリのところで面白いことができたらっていうのは、このライヴの面白さなのかなって思いますよね。