岡田将生&志尊淳が熱演をぶつける!「さんかく窓の外側は夜」現場リポート

2020/08/03 14:00 配信

映画

「さんかく窓の外側は夜」に出演する岡田将生(左)と志尊淳(右)(C)2020映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 (C)Tomoko Yamashita/libre

ヤマシタトモコによる、累計100万部突破の人気コミックを映画化した『さんかく窓の外側は夜』(10月30日[金]公開)で、岡田将生志尊淳が初共演を果たす。彼らが演じるのは、霊を祓うことのできる男・冷川(岡田)と、霊を視ることができる男・三角(志尊)。能力者である二人がバディを組んで、難事件に挑む姿を描くミステリー・エンタテインメントだ。今回は、撮影中の現場を直撃。“心霊探偵”に向けた役作りや、メガホンをとる森ガキ侑大監督の意気込みを聞いた。

――岡田さんが演じるのは、霊を怖れる三角を“霊祓い”の仕事に勧誘するスゴ腕の除霊師の冷川。金髪で描かれていた原作とは、また違ったビジュアルも印象的です。

岡田「僕はこれまでにも何度か漫画原作の作品をやらせていただいていますが、やはり漫画原作に挑むときは、ビジュアルは原作に似せた方がいいと思っていました。ただ今回は森ガキ監督の、“冷川と三角、そして平手友梨奈さんが演じる非浦英莉可の3人は、同じカラーを基調にした役柄にしたい”というご意向があって。彼らが同じ種類の人間であるということを強調したいという考えがあったので、僕も金髪にはせず、黒髪で演じさせていただいています」

――現場では、森ガキ監督やスタッフの方々とたくさんコミュニケーションをとられていました。役柄について、森ガキ監督とはどのようなお話をされましたか?

岡田「冷川にはある過去があるので、作り込もうと思ったら、いろいろなことができる役柄ではあります。でも監督ともお話したのは、なるべくフラットでナチュラルに演じていこうということ。その中で、“実は冷川の内面は他の人とズレている”ということを仕草や言葉の発し方などで伝えていけたらと思っています」

――志尊さんは、突然目の前に現れた冷川と除霊バディを組むことになる書店員の三角役です。演じる上で大事にしているのはどんなことでしょうか。

志尊「作品を通して、三角の成長も描かれていきます。その成長の具合や、冷川と出会って変化していく三角の様子を繊細に演じられたらいいなと思っています。そして三角は、不条理な世界観の中で一番“普通”でいなければいけない役どころでもあって。特異な人の間で真ん中に立っていないといけないので、感情が動く場面は一つ一つ、大切に演じています」

――今日の撮影シーンでは、捉えどころのない発言をする冷川に、三角が感情を爆発させる場面もありました。

志尊「三角は泣き虫なところもあって、体力がいる役ではありますね(笑)。記憶を失ってパッと目が覚めたら涙が流れているというシーンもありますが、そういったアンリアルな場面も、気持ちを大切に演じていきたいです」

――森ガキ監督は、原作モノに挑まれるのは初めてとのこと。どのような意気込みで臨んでいらっしゃいますか?

森ガキ監督「ヤマシタ先生の原作がものすごく面白くて、もちろんファンもたくさんいらっしゃいます。ただその中でも、ヤマシタ先生の世界観を具現化するだけではなく、ヤマシタ先生が世の中に伝えたいと思っているメッセージを僕なりに読み取って、新しい表現も見せたいと思っています。原作には余白の部分もありますので、そこに自分の色も入れられたらと思い、楽しく撮影をしています」

――冷川、三角、非浦の3人の髪色や服を、黒を基調としたカラーにそろえたのも面白いアイデアです。

森ガキ監督「3人ともまったくタイプは違いますが、“能力者”という共通項があります。そして彼らは似ているようで、似てないという、絶妙な距離感の関係性にあります。そのバランスをうまく作りたいなと思っていました。また、最近の日本映画ではあまりやっていないことにチャレンジしたいという思いもありました。全体的なトーンをシックに合わせて、悩みを持っている人々の個性を“黒”として統一したつもりです。スタイリストさんとも、かなり話し合って細かく決めていきました」

文=成田おり枝