「この世界の片隅に」主人公・すずのような戦時下を懸命に生きた人々を紹介する特番のナレーションが判明

2020/08/11 16:49 配信

芸能一般

ナレーションには、映画「この世界の片隅に」義理の姉・径子役の尾身美詞も登場(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会


のんコメント


私は、すずさんを演じさせていただくまで戦時下にあった日本の状況を、違う世界のお話のように感じていました。

映画やドラマなどでは触れたことはある。頭では本当にあったことだと分かっていながら、実感が湧かなかった。けれど、このあちこちのすずさんでは、当時を生きていた方たちのうれしい日常やお茶目な風景をのぞかせてくれる。

おしゃれをしたり恋をしたりロマンチックな思い出を見せてくれる。そういう、日常を楽しくさせる気持ちは今を生きる私たちと同じ。その気持ちに共感して、私の中であちこちのすずさんがリアルに動き出しました。

直接会ったことはないけれど、私たちとあちこちのすずさんはつながっている。途端に愛情が湧いて思い入れができると、戦争があったことが心の奥深くにズシンと重く落ちてきました。

自分の今いる日本で起きたことなのだと心で感じられたことで、やっと目を背けずに考えられるようになりました。あちこちのすずさんたちの思い出を、大切に読ませていただきたいと思います。

尾身美詞コメント


私が担当したのは、75年前にも私と同じように宝塚歌劇団という夢に向かい、人生への希望を持っていた女の子がいたけれど、空襲の1日で全て変わってしまったお話です。

何かを失って、何かを得る。苦しい出来事でも、言葉では表現できないような巡り合わせにつながっていく姿に人生の不思議さを感じました。

戦争で犠牲になった人たちの後ろには、一つ一つの人生があったことを感じながら、8月を過ごしていただければうれしいです。自分たちと何ら変わらない一人の人間が歩んでこられた75年の日々を想像してみてください。