これまでも、繊細な表情の演技で高く評価されてきた横浜。ドラマ「初めて恋をした日に読む話」(2019年、TBS系)の由利匡平役では、順子(深田恭子)への思いの変化を優しい眼差しで表現。「あなたの番です―反撃編―」(2019年、日本テレビ系)の無口な青年・二階堂、「4分間のマリーゴールド」(2019年、TBS系)の思いやり深く照れ屋な末っ子・藍も、言外に感情を滲ませるシーンが印象的なキャラクターだった。
「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(2020年、日本テレビ系)では、父親を殺された森島直輝の悲しみと憎しみを瞳に映し、視聴者の共感を呼んだ。佐藤二朗演じる佐島と死闘を繰り広げたクライマックスのシーンでは、セリフというより魂のやり取りで見せた。
激しく慟哭しながらも妙に穏やかな薄笑いを浮かべ、見る者に恐れすら感じさせた横浜。放送後には佐藤がTwitterで「芝居は、どちらか一方だけが良くていいシーンになることはない。僕は本当に素晴らしい相手役に恵まれた。僕も相手役にそう感じてもらえるよう必死だった。流星、ありがとさん」と最大級の賛辞を送ったことも記憶に新しい。
横浜の演技力は客観的にも高く評価されている。2019年は「東京ドラマアウォード2019」助演男優賞、「第32回 小学館DIMEトレンド大賞」ベストキャラクター賞、第43回日本アカデミー賞新人俳優賞、エランドール賞新人賞といった賞を受賞した。
「私たちはどうかしている」でも、謎に包まれた椿の感情を紐解くカギはおそらく、繊細な表情の変化だ。
椿は、素性を隠したまま乗り込んでくる七桜を冷たい眼差しで受け止める。よく知らないはずの七桜に突然のプロポーズを仕掛けた真意、そして、徐々に変化していく七桜への思い…。それらを雄弁に映す、横浜ならではの表情の演技にも注目したい。
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