<はたらく細胞>前野智昭「健康に気を使う日々が続く中、娯楽として、そして勉強として楽しんでいただけたら」【特別上映版9.5公開】

2020/08/29 05:00 配信

アニメ インタビュー

「はたらく細胞」シリーズで白血球(好中球)を演じる前野智昭にロングインタビュー!※提供写真

「乳酸菌の登場シーンはとても勉強になるし、キャラクターがめちゃくちゃかわいいんです」


――第2期のストーリーについては、どのような印象を持ちましたか?

前野智昭:「最強の敵、再び。」というサブタイトルの通り、第1期(7話)で対峙したがん細胞と再び相対することになるんですが、第1期の頃から「ぜひ、原作の第5巻で描かれているがん細胞とのくだりをやれたらいいですね」と現場でも話していたので、それが特別上映版になるということで感慨深いものがありました。がん細胞って、ああいうキャラクターですけど(笑)、自分の存在に対して葛藤を抱いているし、存在意義を見出そうとしている。言い方は悪いですが、かわいそうな細胞でもあるので、それをまたアニメで表現できて、(がん細胞役の)石田彰さんとマイク前に並んで演じられることがうれしかったです。

――前野さん演じる白血球(好中球)は、体内に侵入した細菌やウイルスを排除する役割を担う細胞。ただ本作では、がん細胞と戦うだけでなく、ちょっと切なさを感じさせるがん細胞との交流も描かれます。

前野:がん細胞はがん細胞で、あんな風に生まれてしまった悲しい境遇ではあるんですが、生まれてきてしまった以上、自分の生を全うするんだという、信念みたいなものを持っているキャラクターでもあるんです。そして白血球には、それでもがん細胞を倒さなきゃいけないという葛藤もあって。決してお互い、心の底から憎み合っているわけではないから、切ないところはありますよね。

第1期でも、少し煮え切らない思いみたいなものもありましたし。がん細胞としては、白血球に対して割と寛容というか、“友達”のような意識があって、それがまた白血球的にも、もどかしいところなんですよ。やっぱり友情を認めるわけにはいかない。むしろ、倒さなきゃいけない。でも向こうは友達だと思ってくれている、という。そのあたりの微妙な関係性は本作でも描かれているので、重要なポイントかなと思います。

――アフレコの様子についてもお聞かせください。収録は他のキャストの方々と一緒に?

前野:第2期のアフレコは、コロナ禍が始まる前に収録できたので、みんなそろっての収録でした。第1期からのメンバーのチームワークは相変わらずよかったですね。「細胞」のスタッフの方々は、第1期の頃から、毎回おいしい差し入れをたくさんご用意してくださったんですね(笑)。休憩中、キャストはキャスト同士、スタッフさんはスタッフさん同士で固まって、分かれがちになるところがあったので、「そういう壁を取っ払って、みんなで交流を深めるために軽食を用意したので、どうぞ」ということで(笑)。(赤血球役の)花澤香菜ちゃんたちと「ありがたいね」と話していたんですが、第2期でも変わらずスタッフさんたちがその雰囲気を作ってくださったので、小倉(宏文)監督も交えて、スタッフのみなさんともたくさんコミュニケーションが取れましたし、最高な環境でアフレコに臨むことができました。

――第2期で、特にお気に入りのシーンはありますか?

前野:もちろん全編を通して見ていただきたいんですが、今回、乳酸菌が出てくるんですね。その乳酸菌が人体に及ぼすいろんな影響が…ほぼほぼ良い影響なんですけど、それが具体的にどういうものなのか、緻密に、かつ分かりやすく描かれていて。僕は“乳酸菌は腸を整えてくれる”くらいの知識しかありませんでしたが、それ以外にも、こういう働きがあって、こうすると活性化する、というような情報が詰め込まれているので、そこはとても勉強になるし、見どころの一つだと思います。

しかも、その乳酸菌のキャラクターがめちゃくちゃかわいいんですよ(笑)。第1期を見たことがない方でも親しみが持てるキャラクターだと思いますね。そもそも、過去のシリーズを見たことがなくても、予備知識なく見られるのがこの作品の強みだと思うので、ぜひ今回の特別上映版をきっかけに「細胞」の世界を楽しんでもらえるとうれしいです。