境遇も性格も異なった3人の女性が共通の悩みごとを通じて出会ってしまうという設定は、「想い出づくり。」からヒントを得、複数の同時進行の恋愛で引っ張っていくスタイルは「金曜日の妻たちへ」で学びました。なので、今回のTBSドラマ化に、奇縁というよりむしろ必然を感じます。
連載当初からドラマ化のお話をいただき、何年もかけてキャスティングのご提案を受けました。その結果、これ以上望むべくもない原作のイメージ通りの配役をしていただけました。美貌と演技力を兼ね備えた女優さんたちでワクワクします。
脚本は大石静さんですから、これはもう間違いありません。この秋は“金曜日の恋する母たち”を、いち視聴者として楽しみたいです。
3人のヒロインは、一つの価値観に苛まれています。それは、母たる者は子育てを生きがいとし、人生の第一義としなければならないという価値観です。
しかし、人生の盛りを生きるヒロインたちは、新しい出会いをも本能的に求めており、その思いを押し殺して生きることの残酷さも知っています。
現実の世の中は、婚外の恋を糾弾する風が、恐ろしいほど吹き荒れていますが、いいとか悪いとかの前に、“恋”は命を息づかせてしまうもので、抗いがたい魅力で人を翻弄(ほんろう)します。それは母であっても妻であっても同じです。
視聴者の皆さまには、こういう時だからこそ、ドラマの中で夢を見ていただきたいと願って、このドラマを書き始めました。現実の中ではなくドラマの中で、迷い、揺れ、震えて下さい。
リアルと夢が、絶妙に交錯する柴門ふみさんの原作の持ち味を、精いっぱい生かす脚本にしたいと思っています。ぜひご覧下さいませ。
柴門ふみさんの「恋する母たち」の連載初回を読んですぐに、ドラマ化したいと申し込みに行きました。本当にキャッチーなタイトル、魅力的な登場人物たち…激しい争奪戦を勝ち抜いて、こうして映像化できることになり、とてもうれしいです。
そして、これを最高の脚本にしてくださるのは大石さんしかいない、と思ってお願いしました。さらに木村佳乃さんをはじめとする本当にすてきなキャストに集まっていただき、この秋必見のラブストーリーを制作する準備が整いました。
実生活での不倫は絶対ダメ!ですが、このドラマを見て、ドキドキする感情を心おきなく発散していただきたいです。登場人物の誰かにきっと共感していただける新しいドラマになると思います。
キャスト・スタッフ一同、誠意を込めて制作していきますので、よろしくお願いいたします。
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