JNN九州沖縄7局のブロックネットで放送されているドキュメンタリー番組「九州沖縄ドキュメント ムーブ」。8月23日(日)は、福岡の旧陸軍大刀洗(たちあらい)飛行場と関連施設が標的となった空襲で、森に逃げ込んでいた子どもたち31人の命が一気に奪われた悲劇をたどる「忘れられないあの日〜頓田の森の悲劇から75年〜」を放送する。
太平洋戦争末期、当時、東洋一とうたわれた旧陸軍大刀洗飛行場は、現在の福岡県大刀洗町と筑前町にかけて広がり、一帯は軍都として栄えていた。
1945年3月27日、大刀洗空襲。アメリカ軍の標的となった飛行場は壊滅的な被害を受け、周辺でも多くの命が奪われた。
集落ごとに集団下校中だった立石国民学校の子どもたちは、空襲から逃れようと森に逃げ込んだところを爆撃に遭い、31人の命が奪われた。
森へ逃げ込み、腹部に傷を負った廣瀬益子さん(83歳)は、当時8歳。70年たってから初めてあの日の記憶を口にした。
集落の中では、生き残った子どもと亡くなった子どもがいたことから、遺族の心情を慮(おもんぱか)り、誰もが口をつぐんだ。子どもたちを森へ誘導した教師はずっと非難を受け続けた。
廣瀬さんは思い出すことさえ辛かったという。しかし、戦後75年を迎えた現在は、精力的に小学校などで講演活動を続けている。
戦争の記憶が社会から薄れつつある今、廣瀬さんのように「後世へ伝えなければ」という思いを持つ人が増えている。苦しさを抱えながらも、当時の記憶を語り始めた体験者たちの思いを伝える。
制作はRKB毎日放送、ディレクター・原口佳歩。制作のRKB毎日放送では、23日朝5:15-5:45に放送される。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)