「クリエイターズ・ファイル」#63 ストリート・ペイントマン HACCHO

2020/08/24 12:00 配信

芸能一般

跳んだりはねたり回転する手法は作品に動きを吹き込む撮影=市門大我/(Ⅽ)クリエイターズ・ファイル


今もペンキの中に2%の味噌を混ぜるようにしています


──制作中はかなり大きなアクションもありましたが、やはり見られてることを意識されているのでしょうか?

HACCHO「そんな余裕はないですよ(笑)。自分は極度の人見知りなので、今この取材からも逃げたいくらいです。後々気づくと、ジャンプしてたり回転しながら描いていたということはよくあります」

──HACCHOというアーティスト・ネームの由来は?

HACCHO「自分の実家が愛知の八丁味噌の蔵なので、ガキの頃から『八丁、八丁』って言われてて、まんまの流れで、ペイント・アーティストHACCHOと名乗るようになりました。少年時代は親に迷惑掛けすぎていました。暴力、窃盗は日常茶飯事でしたね。高校生の夏休みに、家の味噌蔵の仕事を手伝った時、手についた八丁味噌を蔵の白壁になすりつけたんです。反発の気持ちで。それを毎日繰り返しているうちに、これがアートだなって思うようになりました。壁に何かを描くのはその延長なのかもしれないですね。今もペンキの中に2%の味噌を混ぜるようにしています」

──アシスタントのリコさんは、公私にわたるパートナーということでよいのでしょうか? 

HACCHO「はい。リコピンはマネージメントもしてくれています。自分は人見知りだし、対人関係もレベル低すぎなんですけど、彼女はうまく間に入ってくれて、自分を創作に専念させてくれるんです」

──ちなみに、リコさん以前にもアシスタントはいらっしゃったのですか?

HACCHO「いました。リコピンが86人目のアシスタントだったと思います。リコピンは一番長いです」

──では、最後にペイント・アーティストとしての今後の野望を聞かせていただけますか。

HACCHO「とにかく今、自分ができることは日本のパワーを世界に伝えること。ちっちゃい国だけど、自分の中ではアメリカ大陸やアフリカ大陸なんかより大きいんだと思っています。日本人である以上それを広めるのが自分の宿命かな」

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