舞台「時代劇版・101回目のプロポーズ」の囲み取材が8月25日に都内のホテルで行われ、出演者の武田鉄矢と浅野温子が出席した。
'91年にフジテレビ系で放送され、最終回は36.7%という高視聴率を出した名作ドラマが、今回時代劇として生まれ変わる。同作では肥後熊本藩の下級武士(武田鉄矢)の、他藩から流れついた美女(浅野温子)へのひたむきな純愛を描く。武田いわく「ちょんまげをつけているだけで物語の本筋は変わらない」構成に。
ドラマの放送終了以来、20年ぶりの再会だという2人。武田は「初めてこの話をもらった時、浅野さんは無理だと思った」と語り、久しぶりの共演にうれしそうな表情を見せた。浅野が出演を決意したのは、あるファンの後押しだったという。「ドラマのファンを大切にしたかったから期待を裏切りたくなかった。だけど私の熱烈なファンの方に、とにかくやってほしいって言われたんです」と明かした。また、再会した時の気持ちを武田は「なにせ私は(金八)先生あがりですから、トレンディー女優でぶいぶい言わせてた浅野さんが苦手でした(笑)。今回久しぶりに会ったらギクシャクするかと思ったのですが、全くそんなことはないんですね。彼女は同じ方向を向いて一緒に飛び立とうとしている、いわば“戦友”です」と感慨深く語った。それを聞いた浅野も「『じゃあね』って言って別れたのが昨日のことみたいだよね」とコメント。さらに「舞台を1カ月やるのは初めてです。博多が第2の故郷になるといいな。あ、けどそしたら武田さんと故郷一緒になっちゃう! やだ!(笑)」とおどけて武田と笑い合い、20年の年月を感じさせない2人の深い絆がうかがえた。
同作といえばやはり、武田がダンプカーの前に立ちはだかり「僕は死にましぇん!」と涙ながらに叫ぶシーン。当時を振り返って武田は「あのシーンはギリギリまで悩みました。標準語だと浮く気がしたので九州なまりを意識したんですよね」と告白。それを聞いた浅野も「あれは絶対NGだと思った(笑)」と思い出深そうに語った。さらに武田は「あのころは苦労を笑う体力があった。『昨日寝た?』『うん15分』みたいなね(笑)」と明かし、「江口(洋介)とひたすらギャグを考えてました。あいつ生意気だから『それ面白くねえな』とか言ってくるんですよ」と笑いながら当時の撮影を振り返った。
さらに2人は、現代の恋愛観についても言及。武田は「男の子がエロスのパワーを無くしてますね。老けたから言えることですが、“誤解する力”がない。恋愛中は『あんなきれいな人はいない!』って思い込みますよね。そんな訳ないんですけど(笑)、けど恋愛はそんな誤解が大切です。奥さんは永遠の誤解ですよ(笑)」と照れながら明かした。それを聞いた浅野も「最近はネットとかパソコンで自分の世界を作り上げてしまいますからね。妙に賢いし、つらいことにわざわざ手を出さなくなるのでは」と分析し、「現代の恋愛とはまた違う素敵な恋愛観を演出したい」と作品への意気込みを語った。
今回上演されるスポットは、武田の故郷である福岡県・博多。武田は、九州ならではの世界観にこだわり、方言も取り入れていきたいと語る。そして最後に「博多は本当に素敵な場所です。多くの方にとっては遠いかもしれませんが、ぜひいらして博多の風を感じていただけたらうれしいです」と作品とともに自身の故郷を力強くアピールした。
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