鞘師里保、レールは無限に。本格復帰の先にある贅沢な悩み<インタビュー>

2020/09/01 11:00 配信

芸能一般 インタビュー

新しいダンスパフォーマンスを見せたい


――「黒世界」が本格復帰のスタートだとして、今後はどのような活動を考えていますか?

鞘師里保:私の妄想でしかないんですけど、留学して学んだ鞘師里保の新しいダンスパフォーマンスをお見せしたいなと思っています。例えば、既存の曲をダンサーとしての表現で作品にできないかなと考えていて。あとは歌も歌っていきたいです。ライブパフォーマンスをいつか実現したいなっていう願望もあります。ほかにもせっかく英語も勉強してきたので、英語を使って海外の方ともコミュニケーションを取りたいし、海外に行ってお仕事もできるようになればうれしいですね。

――ちなみに英会話の実力のほどは?

鞘師:日常会話は基本的に大丈夫です。典型的な耳から入るタイプなので、聞き取り力はあると思います。発音はそれっぽく(笑)。私の実感なのですが、若いからこその吸収力って絶対にあるので、今迷っている人は、「時間が過ぎる前にどんどんやっちゃえばいいよ!」って思います。

やりたいことが多すぎて、明確に目標が決められない。鞘師里保は「贅沢な悩みですね」と笑みをこぼす撮影・鈴木康道 / ヘアメイク・太田年哉(maroonbrand) / 衣装協力・DIANA / スタイリスト・寒河江健(Emina)


――ニューヨークで体験した本場のダンスは刺激になりましたか?

鞘師:もちろんです。各国から人が集結する場所なので、いろいろなタイプのダンスを間近で見られたのはすごく勉強になりました。ダンス教室でびっくりしたことがあって、アジア人はダンスに正確さを求める印象ですが、教室では、先生の振り付けを覆してしまうようなアレンジでダンスを踊っちゃう生徒がいて、でも、先生はそれに怒ることはないんです。それどころか、「ブラボー! 素晴らしい、みんな見て!」っていう感じのスタンスなんですよ。それがすっごい不思議で新鮮でした。

「自分が一生懸命考えた振り付けをこんなに崩されて、先生、嫌じゃないのかな」って、私はそう思ってしまったんですよね。それくらい各々の表現力がすごくて、今まで見たことがない世界でした。そのおかげで自分のダンスの個性や、独自性みたいなものを感じて、正確でクリーンなところを大事にしているアジア人のダンスを自分の個性として極め続けていきたいなと思いました。

――海外留学でいろいろなことを学んだように、モーニング娘。にいたからこそ学べたことも多いと思います。最後に、少しだけ振り返っていただけますか。

鞘師:モーニング娘。になれたことで、歌とダンスに限らず、いろいろなことにチャレンジさせていただけて、その経験があるからこそ、これからの自分を考えたときにやりたいことがたくさん出てきたんです。モーニング娘。でいたことで自分の可能性を生むことができたし、人生のレールを無数に広げることができたと思います。だからこそ、明確に「これがしたい」と絞れない状況にあって。贅沢な悩みですよね。

音楽朗読劇「黒世界」は2020年9月20日(日)より、東京・サンシャイン劇場にて上演を開始する


音楽朗読劇「黒世界 ~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~」は、2020年9月20日(日)~10月4日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて、10月14日(水)~20日(火)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホールにて上演。9月22日(火・祝)、26日(土)、27日(日)、10月3日(土)、4日(日)にはライブ配信も行われる。

※「黒世界」の“黒”は旧字体が正式表記

ヘアメイク・太田年哉(maroonbrand) / 衣装協力・DIANA / スタイリスト・寒河江健(Emina)

取材・文:鈴木康道