夏の風物詩として、これまで610 万人を動員してきた国内最大級の音楽フェス「a-nation」。19回目を迎える今年は、コロナ禍により史上初となるオンライン・フェス「a-nation online 2020」として、8月29日に、Blue Stage、Green Stage、Yellow Stageという3ステージの有料チャンネル、そして、Purple Stage、White Stageという2ステージの無料チャンネルという計 5 ステージにて開催された。
Green Stageのトリを飾ったのは、2年ぶり、5回目となる韓国から参加のSUPER JUNIOR。SUPER JUNIORは、今年結成15周年を迎える長寿アイドルで、グループとしてだけでなく、ユニットやソロでの歌手活動、タレント、俳優、モデルなどメンバーそれぞれが各ジャンルで活躍しているアジアNo.1マルチエンタテインメントグループ。全世界主要30都市で行われる単独コンサート「SUPER SHOW」の累積動員数は約200万人以上という、ワールドワイドな人気を誇っている。
世界のステージを股にかけてきた彼らは、ライブに定評がある。a-nationでも毎回、他のアーティストを見に来た人たちを魅了して、ファンを増やしてきた。オープニング映像には、そんな彼らの過去のa-nation出演シーンが映し出され、ライブ開始前からファンの期待を高めた。
アコースティックギターの印象的な音色とウニョクを頂点にしたフォーメーションで始まった1曲目の「U」は、彼らの原点ともいえる曲。2006年にキュヒョンが加入し初参加したこの曲で、SUPER JUNIORは音楽番組で初めて1位を獲得。14年前と比べると、当然のように大人の貫禄が感じられるが、そんな昔の曲だというのに、今歌ってもまったく古さを感じさせないのもスゴイ。
2曲目は今年リリースされた、韓国最新曲「2YAOYAO!」。韓国ではこの「2YAOYAO!」が収録された『TIMELESS』と『Time Slip』というアルバムを携え、『SUPER SHOW 8：INFINITE TIME』というワールドツアーを行ってきた彼ら。14年前の初1位曲と最新曲との並びは、まさに“INFINITE TIME＝無限の時間”を踏襲したものではないだろうか。
SUPER JUNIORのすごいところは、どんどん10代の若いアイドルが出てくる中で、15年間変わらずに第一線でい続けているところだ。韓国人男性には兵役の義務がある。アイドルといえども、避けて通ることはできない。
グループ全員の兵役が終えるまでにあまりにも長い期間がかかるため、これまでのアイドルは、兵役を機に解散してしまうグループが多かったのだが、SUPER JUNIORはリーダーのイトゥクから末っ子のキュヒョンまで、全員が兵役を終える10年という長い月日を活動を止めることなく乗り切ったまれなグループである。これは、スターメンバーだけに頼らない、マルチエンタテインメントグループだからできたことだ。
またSUPER JUNIORは、自分たちらしい音楽を制作するためにレーベルも立ち上げ、大規模なワールドツアーの演出もメンバー自身が手掛けている。後輩たちにアイドルが長く続けられ、アーティストとしてファンと一緒に歩いて行ける道があることを示した貴重な存在なのだ。そんな自負と、ファンと音楽を愛する姿勢がパフォーマンスからうかがえるのが彼らの魅力でもある。
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