――これまでのシリーズと比べて、今作の違うところはありますか?
これまでの作品では、佐方という男にも何かしらの焦点が当てられていて、彼の人間性が少しずつ視聴者にひもとかれていく、そんな物語となっていた部分がありました。
しかし今回は、米崎市という町で起こった一つの事件にまつわるミステリーを、佐方がひもといていく物語となっていて、探偵役と言える佐方は、物語をお届けする一つのフィルターに徹しているのが特徴的です。
これまでよりもシンプルであるという言い方もできますし、事件そのものにフォーカスが当たった物語になっている点で、これまでの4作とは毛色の違った作品になっていると思います。
――今回の作品で「犯した罪は、まっとうに裁かれなければならない」というせりふが印象的だったのですが、シリーズを通して心に響くせりふの多い作品ですよね。
年数にして5年という時間を佐方と過ごしてきた中で、その信念は今や、実に佐方らしいと思える納得のいく言葉です。
矜持ともいえる「犯した罪はまっとうに裁かれなければならない」という言葉は、そのまま翻って「いかにまっとうに罪に向き合わなければいけないのか」と、佐方自身に真っすぐ突き付けられているようにも見えます。
だからこそ彼は、ひたすらに罪と向き合うのでしょうし、僕は彼の行動を疑うことなく演じられるのだと思います。
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