舞台「文豪とアルケミスト」の核は文豪たちの苦悩! 平野良×吉谷光太郎が語る、譲れないこだわり

2020/09/07 20:00 配信

2.5次元

初登場の館長は、文豪たちの視点を広げる“他者”


――「文劇」には初登場となる、吉田メタルさん演じる館長の存在も気になるところです。

吉谷:館長は、しゃべればしゃべるほどネタバレなんですよ(笑)。一つ言えるのは、文豪ではない他者の視点が重要ということですね。今まで文豪同士の会話はありましたが、そうでない他者との会話はなかった。館長の存在で、世界観や思考、視点が広がっていきます。

文豪と館長がいかに絡み、いかに影響されていくか…。文豪たちが考えるきっかけになる人物です。

吉田メタル演じる“館長”(C)2016 EXNOA LLC / 舞台「文豪とアルケミスト」製作委員会


――それでは最後に、「綴リ人ノ輪唱」の見どころを教えてください!

平野:新しいキャストも入ってきますし、メタルさんの館長もいます。メタルさんは演劇の大先輩ですから、否が応でも深みは出ると思います。アクションやきらびやかな衣装などの魅力は引き継ぎつつも、第1弾、第2弾の面白さが積み上がっていく面白さだとしたら、今回は下に掘り下げていく面白さになるんじゃないかな。ぜひ期待していてください。

吉谷:メッセージ性のある、踏み込んだ作品にしたいですね。この時世ということもありますし、文豪の作品も時代を映した鏡ですので、我々も逃げずに表現していきたい。作り手は気概をもって挑んでいます。

そしてこの第3弾で「文劇」シリーズに一つの区切りを作ろうともしています。終わらせるというわけではなく、一度“点”を置いてみようと。望まれるならその先も継続してやっていきたいのですが、いったんそこは考えず、出し切ろうと思っています。

今演劇をやること自体がトライですし、それをパワーに変えて…というと言葉は軽いですが、現代社会を生きている我々の思いも乗せて、逃げずに向かっていく姿勢で作っています。いろんな意味で、意欲作であることは確かです。

撮影=石川浩章