まさに「ドラえもんスーパーハードバージョン」あるいは映像による150分の回文。始まりが終わりで終わりが始まりで、アレがこれでコレがあれで…脳みそが確実にオーバークロックします。
ノーランはまたもや誰も足を踏み入れたことのない場所にとんでもないエンタメの金字塔を打ち立ててしまいました。
冒頭から、いきなり未体験ゾーンに放り込まれる。生々しさに満ちた迫真の映像と、全身を揺さぶる音響体験。
時間軸の常識を破壊する、緻密に張り巡らされた迷宮世界。驚きのつるべ打ちに心を奪われ、一瞬たりとも見逃せない。
"逆行"を巡るノーランの壮大な実験は、コロナに喘ぐわれわれの“生きる時間”をも逆行させ、観客を劇場での原初的な興奮に引き戻す。
映画への圧倒的な信頼と、それを成立させる精緻な美意識と最先端の技術。そして、研ぎ澄まされた創造への狂気。たまらない。あと数回見ないとね。
ノーラン監督によって複雑に張り巡らされた罠と驚きに満ちたこの世界を、圧倒的なまでにブレない主人公のヒロイズムが観客の心をつかんで離さずに一気に駆け抜けさせる!
見終わった瞬間からすぐにでも二度三度と見たくなる衝動を抑えきれない衝撃作!
もうなんか、何もかもが“異次元”。そんなありがちな賞賛を言葉通りの意味で使えてしまうすさまじさよ。
この時代にあってもなお、真に映画館で体験するべき映画を生み出せる、数少ない映画監督の一人。早々に業界を引退して、黄昏の時を生きながら、ノーランさんの新作を楽しみに待ち続ける人生も悪くないな、って思わせられた。
疾走感のある目まぐるしい展開に脳髄からドーパミンがあふれて逆流する。ノーランだけがたどり着くことのできる超絶映画。
この映画体験を逃したら、これ以上の人生の損はない。可能な限りデカいスクリーンで見るべし!
すごい。すご過ぎて一度見ただけでは そのすごさが正確に把握できないではないか。普段使わない部位に刺激があったのだろう、一日たった今でも脳幹が痺れている。
すご過ぎて今まで見たどの映画も当てはまらないし、すご過ぎてこれから先、誰もマネができない。
異生物も、ヒーローも、宇宙船も出てこない。われわれが暮らしている世界にあるものを組み合わせただけなのに、その刺激的な体験に、後からじわじわと興奮がこみ上げてくる。
二度、三度見ても、新たな発見と驚きが待っているだろう。映画ってすごい!
客席の僕らの居場所をぐしゃぐしゃにする。時間が前に向かって流れていると信じているから、安定して生きているのに!わやわややがな。
なんにも考えなければ、予算使い放題みたいなアクションシーンの大盛りだから、大爽快なんですよ。
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