あいみょんニューアルバムリリース!「続けられるところまでどんどん曲を作っていこうと思っています」

2020/09/09 08:00 配信

音楽

アルバム『おいしいパスタがあると聞いて』をリリースするあいみょん撮影=大石隼土


がむしゃらになっていたときを忘れたくない、安っぽいものをまだまだ信じていたいっていう気持ちがあります


あいみょんの1年7カ月ぶりの3rd『おいしいパスタがあると聞いて』。ドラマ「私の家政婦ナギサさん」(TBS系)の主題歌「裸の心」や、「Heaven? ~ご苦楽レストラン~」(TBS系)の主題歌「真夏の夜の匂いがする」といったヒットシングルは収録されながら、とても軽やかな手触りのアルバムだ。

「ようやく整った感じがします。今後もこういうアルバムを出していくんやろうなって。1枚目のアルバムの『青春のエキサイトメント』はすごくがむしゃらでしたし、まさに青春の衝動を詰め込んだ1枚。私のことをほとんど皆さんが知らなくて、『私はここにいるぞ』ってアルバムでもありました。2枚目の『瞬間的シックスセンス』は『マリーゴールド』というドカンと聴いてもらえた1曲も入りつつ、私っていう存在が皆さんにようやく気付いてもらえたタイミングで出した。今回は割と、いろんな人が私のことを知ってくださっている状況で出すアルバムだったので、より一層何も考えずに、今までよりラフに作れたと思っています。だから、軽やかと言う言葉は合ってるのかもしれないですね。元々、全部が自分が一番良いと思ってる楽曲を詰め込んでるんですけど、今回もちろんシングル曲は入っているんですが、アルバムになるとみんなが均等に並んでる気がしているんです」

前2作のタイトルと比べ、日常のふとした呟きのようなアルバムタイトルも軽やかだ。

「アルバムの制作を始める頃に、たまたま携帯のメモ帳を開いたら、『おいしいパスタがあると聞いて』って自分のメモが入っていて。何がきっかけでメモしてた分からないんですけど、目に入ったときに、語呂もリズムも良いし、かわいいしって思って決めました。前の2作よりゆるっとしてますけど、自分自身、若干余裕が持てるようにはなってきてるけど、芯が通っているというか。パスタのCMみたいなこと言ってますね(笑)。元々、漢字+カタカナの組み合わせと、自分だけの言葉を作るのが好きで、これまでの2枚のアルバムはそこを統一していたんです。今回も最初はその路線で考えてたんですけど、なんか『今の私には合わへんな』って思って」

1曲目の「黄昏にバカ話をしたあの日を思い出す時を」では、“余裕のある生き方がしたい でも鐘のなる方へは行かないぞ”、そして、“もっと刺激を もっと混乱を もっと人生を”と歌っている。 

「今回のアルバム、1~3年前の楽曲が多いんですけど、この曲は3年前の曲なんです。私は日々曲作りをするので、どんどん曲がたまっていって。なのでアルバム制作は今自分が聴いて欲しい楽曲を選ぶ作業から始まるんです。だから、この曲を今このタイミングで選んだということは、今がこの歌詞の通りなのかなって思ってて。ありがたいことに、今自分の周りにはキラキラした世界があって、憧れていた人たちにも会えて、すごく幸せな音楽生活を送ってるんですけど、そっちにまかれ過ぎても良くないというか。がむしゃらになっていたときを忘れたくない、安っぽいものをまだまだ信じていたいっていう気持ちがあります。私は大家族育ちですし、働かないとお金は湧かないのよっていう環境で育ちました(笑)。だから鐘がなる話には絶対寄りついたらあかんってずっと思っていて。でも今生活していると、周りで鐘がなるんですよ(笑)。そこにふらふらしてしまうのは怖いなと。だから、この曲は決意表明に近いと思います。キラキラした危ない世界に自分が飛び込んでしまいそうなときとか、この曲を聴くと『ダメだぞ』って思う」

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