そんな「勇者ああああ」だが、最大の魅力はこの番組の、アルコ&ピースがつくる“雰囲気”だろう。
ゲームに慣れていない芸人がゲームに挑戦していると、おぼつかない操作に対して周りからは落胆の声が漏れてくるし、アルピーとゲストが負け残りのトーナメントで戦い、最後まで負け残った人が罰ゲームを受ける「RIFUJIN FIGHTING FEDERATION」では、平子祐希が誰が何の罰ゲームをするかを決める段階から本気でゴネる。
MCのアルピーが学生服を着てこの番組に出ているからというわけではないが、それは小中学校の頃、放課後に誰かの家に集まって友達たちと繰り広げられていたのと同じ光景だ。
2010年台後半には、「遊☆戯☆王」や「デジモン」などが20周年を迎え、当時小中学生だった人たちをターゲットにしたコンテンツや商品が多数展開された。
ハチミツ次郎(東京ダイナマイト)は出演時に、この番組は“P1層”(パチンコ店に休日の朝から並ぶような人たち)向けだと言っていたが、実際は小中学生の頃に友達と放課後にスーパーファミコンやニンテンドー64、PlayStationで遊んでいたM1層(20~34歳の男性)やM2層(35~49歳の男性)たちが、かつての放課後を懐かしんで見ているのではないだろうか。
2019年には放送100回記念として、アルピーと準レギュラーの出演者たちが静岡・熱海の旅館に泊まり込みでゲームに挑む企画も放送。7人の大きくなった“小中学生たち”が小さな浴槽でギュウギュウになりながらも笑顔を浮かべている光景は、(板川氏も自身のインスタグラムで書いていたが)まさに“修学旅行”のような、同年のバラエティー番組屈指の名場面だ。
今は新型コロナウイルスの影響でそのようなロケは難しいかもしれないが、土曜の夜になっても変わらず、ゲームで一喜一憂する放課後の大人たちの姿に期待したい。
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