「役者・草なぎ剛の 代表作になったと思う」映画「ミッドナイトスワン」について語る【連載コラム】

2020/09/24 00:00 配信

芸能一般

「ミッドナイトスワン」は自身の代表作と豪語撮影=諸永恒夫


「やっぱりあるんだよ。母ちゃんに育てられたっていう証しが」


一果の母になりたいと、凪沙に母性が目覚めるのも、一果がそうさせてくれたからだと思うんだ。母性…、母性って何だろうね。自分の母親のこととか考えたよ。小さいとき、どういうふうに母ちゃんに愛情もらったのかなとか。ゴハン作るときって、母ちゃんこういう気持ちだったのかなとか。やっぱり親ってすごいです。年を重ねて、親に対して尊敬の気持ちが今さらだけど出てきた。撮影中、母ちゃんのこと考えたりしてた。無意識に昔のこと思い出したりしてさ。一果を前にしてると、やっぱりあるんだよ。母ちゃんに育てられたっていう証しが。不思議なもんだね。そんなの意識したことなかったから。ひどい息子だなと思うよ。好き勝手してて、親の子供への愛情とか気付いてなかった。

まあ、僕も一果くらいの頃から仕事してたしね。うちより外のことしか見てなかった。じゃなきゃ、走ってこれないというのもあったし。でも、ちょっと待てよ、と。この役ができているのも、母ちゃんに育てられてるからできてるんだぞ。確かな愛情を受けてたから、今できてんだぞと。ふとね、いろいろ思い出してました。うちも昔、団地だったから、あの廊下の感じとかちょっと似てるなとか。今回のこの役は、自分を振り返る作品でもあったんだなと思います。母ちゃんも映画、楽しみにしてくれてるみたいでね。たくさんの方に映画館で見てほしいと思います。〝#草なぎ剛代表作〞ですから!