一方で、令和に生まれた今作が、新鮮な輝きを放つのは第2話に描かれた内容だ。恋愛に興味がないと自覚する紬が、幼なじみの男子から映画デートに誘われて出かけて行くのだが、紬の心は気乗りしないまま。
紬のケースは、「年頃になれば誰でも異性に恋するもの」、「恋愛が人を成長させる」という恋愛至上主義に真っ向から疑問を投げかける。性が題材のドラマで、この内容を第2話で描いているというところに大きな挑戦を感じた。若者の妊娠や性病、生理など大多数の悩みと同じボリュームで「恋に興味がない」という個性にまで目を向けているのが、素晴らしい。
顔や声など身体が同じ人間が一人もいないのと同様、恋愛や性の悩みも一人一人皆違う。自分と違う人々と共に生きていくんだ、ということについて知るという意味でも「17.3 about a sex」を多くの人に観てもらいたい。学校関係者に届け、と本気で思うのであった。
文=中田蜜柑
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