――難しかったこともありましたか?
山本:ワンシチュエーションで30分間お芝居を続けるので、舎人さんのお部屋しかお芝居をしていない部分でも、私たち粕谷家も実は隣のお部屋でサイレントのお芝居を続けています。
そこのお芝居はもう完全にアドリブというか、いかに目立たず日常のお芝居をずっと続けるか、というのが難しくて。完成したものを見させていただいたんですけど、そのサイレントの芝居の部分が抜かれているところもあって。三谷さんのお気遣いだと思うんですけど、ナチュラルな姿を収めてくださっていたので、“シットコム“だからこそ経験できる空間なんだと思って、とてもありがたかったですね。
――もうほとんど舞台という感覚ですか?
山本:私はあまり舞台の経験がないのですが、舞台に近いんじゃないかなと思いました。「カメラに向かって」という感覚ではまったくなかったです。その場で声を張ったり、目の前のお客様に届け!と思ってずっと演じていたので、映像作品の撮影方法とは全然違いましたね。
――共演が香取さん、佐藤二朗さん、長野里美さんと、舞台でも活躍されている方々ですが、今回掛けられた言葉だったり、演技を見ていて感じたことを教えてください。
山本:特にお父さん役の佐藤二朗さんは一番掛け合いが多かったんですが、一番最初にすぐに下の名前で「千尋」って呼んでくださいました。舞台経験の少ない私にまったく嫌な顔をせず身近に寄り添ってくださって、アドバイスをたくさんくださるのがすごく嬉しかったです。
ただ、佐藤さんからは「俺がアドバイスしたとか俺に助けてもらったとか絶対言うなよ!」って言われてたんです、照れ隠しだと思うんですけど(笑)。なので佐藤さん、ごめんなさい!本当に感謝してもしきれないぐらいアドバイスをくださったので、作品の中で二朗さんと本当の親子みたいな関係になれていたら嬉しいなと思います。
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