瀬戸康史が、震災直後の公開となった主演映画「ランウェイ☆ビート」への熱い思いを語る!

2011/09/07 13:00 配信

芸能一般

映画「ランウェイ☆ビート」主演の瀬戸康史。これからの目標を「役者、アーティストとしてもっと幅を広げていきたいですね」と語る

高校生たちがファッションショーを開催するために奮闘する姿を描いた映画「ランウェイ☆ビート」の3D・Blu-ray &DVDが9月2日に発売された。700万件アクセスを記録した携帯小説を、映画「NANA」の大谷健太郎監督が映画化したもので、瀬戸康史、桜庭ななみ、桐谷美玲、IMALU、田中圭といった旬の豪華キャストが勢ぞろいしたことでも話題となった作品。天才的なファッションセンスを持つ主人公・溝呂木美糸(通称ビート)を演じた瀬戸康史にインタビューを行い、見どころを語ってもらった。

物語は、高校2年生のメイ(桜庭)が転校生のビート(瀬戸)と出会うところから始まる。メイのクラスに転入してきたビートは、転入早々、クラスのいじめられっ子・ワンダ(田中)を、持ち前のデザインセンスでイケメンに変身させる。人気モデルのミキ(桐谷美玲)をはじめとするクラスメートたちは、ビートの才能に驚き、彼を中心に文化祭でファッションショーを企画するが、学校の廃校が決定してしまう。

――ビートはカリスマ性のある“天才デザイナー”という役柄でしたが、ご自身と共通するところはありましたか?

“ファッションが好き”というところは、僕もビートと同じですね。あとは、自分というものをしっかり持っているところに共感しました。周りに流されない“芯”のようなものをビートには感じたので、すんなり芝居に入ることができました。自分と違っているところは…ビートはちょっと完璧すぎだっていうところですかね(笑)

――ビートを演じるに当たって意識したことがあれば教えてください。

“目の力”や“言葉の力”を意識して演じました。どの芝居でも、“決め”となるせりふのときはそういうことを意識しているんですが、ビートはその率が高かった。「信じていれば自分は変われる」とか「ポテンシャル」とか、心の中で思っていても、人に向かって言うことってなかなかないじゃないですか。そういうこともビートは言っちゃうので、やっぱり言葉にパワーがないと伝わらないな、と思って。

――劇中でミシンを踏むシーンがありましたが、実際に洋服を作ったことは?

実は中学生のころ、それこそビートみたいに自分で洋服をリメークしたりしてたんですよ。友達と一緒に、ミシンで縫ったり、スプレーで文字を書いたり。田舎だったのであまり店がなくてみんな同じ店で洋服を買っていたので、人とかぶるのが嫌で。古着店で買ってきた2本のジーンズを合体させたりしていましたね。映画の中では電動ミシンと足踏みミシンを使うシーンがあるんですが、足踏みミシンは初めてだったので撮影前から練習しました。撮影に使ったのはかなり古いミシンで、油を差さないと動かないんですよ。だから“ミシン待ち”の時間なんかもありましたよ(笑)

――現場はどんな雰囲気でしたか?

初めて共演する方も多かったんですが、学校みたいな雰囲気で楽しかったですね。一日の撮影終了後もランウェーを歩く練習をしたり、一緒にご飯食べたりしていました。(田中)圭くんは最初は怖い人かなって思ったけど、実はめっちゃ優しかった!(田中演じる)ワンダはお城が好きという設定があるんだけど、ワンダが部屋からちょこっとだけ顔を出すシーンのテスト中にこっそり城のプラモデルを持ってたりとか(笑)。みんなを笑わせてくれるムードメーカー的存在でしたね。桜庭(ななみ)さんは同じ九州出身でおしとやかなイメージがあったんですが、とにかく元気な子でびっくりしました。しっかりしてて、すごく熱いものを持ってる方なんですが、休み時間にIMALUさんに英語を教わって勉強したりしてて、そこはまだ高校生なんだなーと微笑ましく思ったり(笑)。桐谷(美玲)さんは現場でよく丸いすの上に体操座りで寝てて、あれはかえってきつくないのかなって心配になりました(笑)。父親役の田辺(誠一)さんも不思議な方で。「僕は地図を見るのが好きでね…」ってマニアックな話が多かったです。でも劇中の父親と似てる雰囲気がありましたけど。劇中でのビートと父親の関係は僕の理想の親子像なんです。親父が遠くから見守って、干渉しないふりして心の中ではつながっていたりっていうのは理想ですね。

――最後のランウェーシーンは圧巻でした。

あの場面は半分ドキュメンタリー的に撮影をしているので、ライブならではの緊張感を映像から感じることができると思います。校舎を生かしたセットやライティングで、初めて現場で見たときその迫力に驚きましたが、映像になっても迫力が全然落ちてなかった。このシーンは[3D]Blu-ray版では3Dで見ることができるので、ぜひ3Dで見ることをお薦めします!すごい臨場感、立体感です。

――まさに「青春ど真ん中!」といった作品ですが、ご自身の“青春”体験を教えてください。

中学生のときは、恋も勉強も部活も全部充実してましたね。毎日が青春でした! 甘酸っぱかったです(笑)。その後はずっと仕事で文化祭などを体験していないので、今回疑似体験できて夢が叶いました。

――震災直後の自粛ムードの中での公開('11年3月19日)となりましたが、何か思うところはありましたか?

今回この作品に”一歩踏み出す勇気で世界は変わる”といったテーマがあったんですが、僕たちがこの作品を公開したというのも、やっぱり勇気がいることでした。この作品を通して僕ら自身がもらった勇気を振り絞って、一歩踏み出して公開して。少しでもいいから、この作品が元気の源になったり、次のステップに踏み出すきっかけになったりしたらうれしいなと思ったんです。公開して悔いはないですね。「すごく元気もらいました」「この作品を見て立ち直ることができました」なんて声をたくさんいただけて、本当にうれしかったです。あの時期に公開できた意味というものを、すごく感じています。

――今後、役者として挑戦してみたい役は?

好青年の役が多かったので、まったく逆の悪い人間を演じてみたいですね。二面性を持っていたり、人間の汚い部分を演じる役に挑戦してみたい。10月に出演する「検察側の証人」という舞台では、法廷ミステリーという新しいジャンルに挑戦することになっているのでとても楽しみです。

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