――もう一つ伺いたいのは、選挙の結果が、経済に与える影響についてです。
大統領選挙の結果よりも、やっぱりコロナのゆくえが、経済に与える影響の方がはるかに大きいと思います。でも、コロナのゆくえには、政権が大きく関わってきます。
トランプ政権の初期対策はすごく遅れました。トランプさん、最初「コロナなんて風邪と一緒だと」と言っていたわけですから。マスクもしていませんし。
そういうトランプ的な、要は保守的な考え方がアメリカの今のコロナの惨状をもたらした。世界中でコロナによる死者は100万人を突破し、アメリカが20万人、5人に1人がアメリカ人です。感染している人の数も、今アメリカは720万人くらいに膨らんでいる。圧倒的に多い。ということは誰が見てもトランプ政権、共和党のコロナ対策は失敗したわけですよね。
そう考えると、もし民主党に代わったらば、コロナ対策はトランプ政権よりもずっと良くなる可能性がある。その意味では選挙の結果とコロナの対策は結び付いているとは思います。
その問題を置いておいても、バイデン政権になれば、おそらくトランプさんの時代にやってきたことを全部ひっくり返していく。
まず、「パリ協定」には戻る。イランとの核合意も戻していく。それから、トランプは減税、大減税をやりましたけど、バイデンさんは時間をかけて増税していく。
経済にとってどっちがプラスかと言うと、トランプさんがエンジンをふかすことをやってきたとすると、民主党の政権になると、アクセルを踏むよりはブレーキをかける方に舵を切るのかなと思います。
環境問題などをトランプさんの時代はやってこなかった。でも、ヨーロッパをはじめ、中国も含めて、アメリカ以外の国はどんどん進んでいっている。民主党の政権になればようやく、今まで放置されていた問題に手が着く。
プラスになるかマイナスになるかは今の時点で分からないですが、グローバルのトレンドは、化石燃料依存度を抑制して、グリーンエネルギーの利用を引き上げるグリーンの方向に向いていますから、アメリカがようやくキャッチアップしていくという意味では、プラスもあると思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)