「DIVER‐特殊潜入班‐」黒い思惑が渦巻く最終話!最凶の捜査官・兵悟(福士蒼汰)が形成された理由も明らかに<試写室>

2020/10/20 06:00 配信

ドラマ

県警本部長であり、D班を動かす阿久津(りょう)(C)カンテレ


非情な兵悟と阿久津が抱える“トラウマ”が最終話の鍵


兵悟と同じくらいポーカーフェイスで、何を考えているか分からないのが阿久津。二人の関係や彼女の立場上、仕方がないことなのかもしれないが、兵悟のピンチだというのに、とにかく淡々としている。

そんな阿久津と兵悟が共にトラウマとして抱えるのが、岡本(寺脇康文)という男性が撃ち殺された事件。人間味のない二人でも克服することのできないこの出来事の全貌が、最終話の大きな鍵となっている。とても緊迫感のあるシーンで目が離せず、岡本の死の理由にゾクゾク…。そして、今までの兵悟を思い返すと、全ての言動の根底には岡本がおり、ここから“最凶の男”が形成されたのだなとドキッとしてしまった。

さらに、兵悟と、警察に顔を見られたため、しばらく身を隠すことになった将のいないD班。バラバラなようで、実はしっかりとかみ合っている彼らのチームワークが見られないのは少し寂しい。しかし、兵悟がD班にあるヒントを送ったことで、事件の真相に別々の場所から迫っていく姿に、胸が熱くなった。

ラストシーンで流れるのは、主題歌でもあるコブクロの「灯ル祈リ」。マイナー調の曲が、今回は特に染みる。全5話を見た後に聞くと、書き下ろしだという歌詞の意味もより深く感じられた。

今まで引っ掛かっていたせりふや映像の意味がすべて解決する最終話。第4話から続く壮大な事件のため、可能であれば夜9時からの放送前に第4話を見返すといいだろう。また筆者は、事件の結末に大きく裏切られ、第5話視聴後、この事件における各登場人物の言動を改めて見返したくなった。きっと皆さんも驚くことになるだろう。

文=M