――“コロナ禍”という話が出てきましたが、それによってオーディションのやり方も大きく変わったのではないでしょうか。
そう思います。今は少し緩和されましたが、春頃から自粛、ステイホームという期間が続いていて、従来のような面接ができなくなっています。そういう状況なので、オーディション管理ツール「Exam Organizer」を導入した利点をすごく感じています。
一番の魅力はオンライン面接ができること。面接というと東京の弊社に来ていただいたりしていたわけですが、これによって、47都道府県、場合によっては海外の方との面接も簡単にできます。オーディションに応募したいけれど、遠かったりスケジュールが合わなくて面接を受けに行けないという方も多かったと思いますが、そういった心配がなくなりますので、こちらとしても発掘の可能性が広がりました。
――オンライン面接ではどんなことを心掛けておいたほうがいいですか?
私たちが一番見たいと思っているのは応募者の方のナチュラルな部分です。事前に「自己紹介をしてもらいます」とお伝えしておくと、キッチリと作り込まれて、作文を読んでいるような感じになってしまったり、言い間違えてしまったら最初から言い直したり。
それはしっかりと準備をしてきたという点で評価できる部分ではありますし、やり切ればプロフェッショナルだと思いますが、頑張っていても素の部分というのはどこかで見えてしまうと思うんです。それであれば、最初に元々の性格、キャラクターを見せてもらったほうがその後もやりやすくなるんじゃないかなと思います。
作り過ぎず、素の部分を見せる。でも、エンターテイナーとしての見せ方も大事。料理に例えるならば、調理しないまま食べるよりも調理したほうが美味しく食べられることもあるし、味が濃すぎて何を食べているか分からない料理よりも素材感が光る料理のほうが、個の持つ魅力が増して美味しいということもある。これってすごく難しいことだと思うんですけど、バランスを考えていただくことも今後のことを考えると大切なのではないかと思いますね。
――オーディションをこれまでに受けている人にとっても、オンライン面接というのは新たな挑戦だったりしますから慣れるのも必要かと。
そうですね。例えば、全身を見せる必要がある面接の時に、きちんとしている方はある程度距離が取れる部屋でスムーズに見せてもらえるんですが、「すみません。全身が映らないんですけど…」と面接本番で慌てる方もいます。スピーカーから声が聞こえてこないとかも含めて、事前の準備というのは重要ですね。
ただ、従来のような無機質な会議室での面接と違って、リラックスできる環境での面接になりますので、未成年の方や小さい方は近くに親御さんが近くで見守っていたり、より自身の個性が出しやすいかと思います。こちらも、部屋に置いてあるものとか貼ってあるポスターとか、そういう映り込んでいる物の話を振ったりしますし、ご自身が楽に話せる環境で面接を受けてください。
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