及川奈央と久下恵美(劇団SET)の演劇ユニット「類類~Lui Lui~」が、9月15日(木)~18日(日)、中野の劇場HOPEで舞台「女のキモチ」を公演する。
この舞台は、2人芝居となっており、2人が一から作り上げた物で「類類~Lui Lui~」としての初公演。34歳の独身女性(久下)が、恋人と一緒に暮らしている部屋に帰ってくると、見知らぬ謎の女性(及川)が部屋にいて…というストーリー。
今回は公演を目前に控える「類類~Lui Lui~」の2人にインタビューを行い、現在の心境や初舞台に懸ける思いついて語ってもらった。
――結成のきっかけを教えてください
及川「2006年の春に『志村魂』という舞台で共演したのが出会いでした。その時に仲良くなって、それから食事に行ったり、お互いの公演を見に行くっていう仲だったんです。そんな中で『いつかまた、一緒にお芝居したいよね』って言ってたんです。でも、なかなか共演する機会がなくて『じゃあ、一から作ってみようか!』って2人の意見が一致して、結成しました」
――お互いの第一印象は?
及川「(久下は)いつもにこにこしていて、周りにいらっしゃる大先輩たちにも、自然と仲良く話せちゃうキャラクターで、『すごいな』って感心していました。いつも彼女に便乗して(先輩方と)仲良くさせてもらっていたんです(笑)」
久下「(及川と)初めて会った時は『こんなきれいな人がいるんだ!?』って思いました。それなのに、気さくでみんなに優しいんです。あとは、お酒に強かった(笑)。お芝居に関しては『ものすごく考えて(芝居を)作る人なんだな』って印象が強かったですね。いろんなことを考えて、細かい所までお芝居する人なんだと感じたからこそ、一緒にお芝居したいなと思ったんですよ!」
――ユニット名「類類~Lui Lui~」の由来は?
及川「『似たもの同士』っていう意味と、言葉の響きです。覚えてもらえるようにという思いから、同じ言葉が2回続くっていうのがいいなと。ほかにも候補はいろいろあって、横文字で『LUV』(ラブ)とか…。でも、キャラじゃないねって(笑)」
久下「『いろんな個性の方たちが集まってくるように』という思いも込めてます。今は2人ですが、今後、仲間が増えて大きくしていけたらと思っています」
――出演者が2人だけの舞台のご経験はあるんですか?
2人「初めてなんです…。こわいよ~(泣)」
及川「全部のシーンに出ているので、稽古場でも休憩がないんです!」
久下「そうそう(笑)。稽古中に人が演じるのを見て、頭を切り替えるっていう瞬間がないんですよね」
及川「それに加えて、今回は制作も自分たちでやっているので、制作と役者の切り替えもあって本当に大変なんです。あらためて『日頃たくさんの方に支えられて舞台できてるんだな』って、すっごく感じます」
久下「小道具とか、音楽とか、全部私たちで決めたんですが、ものすごく大変でした(泣)。役者だけに専念できているって幸せなことなんだなと…。今思えば『こうしとけばよかった!』ってことばっかりなんですよ(笑)」
及川「劇場を押さえる前に(専用の)携帯電話を契約したんですど、実際使うのはチケット前売りしてから1カ月間ぐらいで…。半年間くらい基本料金だけ払ってるみたいな(笑)」
――そんな自分たちで作り上げていくという大変さの中で、2人ならではの良さとは?
及川「やっぱり、役について深く話し合えるところですね。大人数だと、そこまで深く話し合って突き詰めることって難しいんですが、2人だととことん話せるので」
久下「2人だから、お互いが力を合わせないと成立しないんです。お互いを支えあって、助け合って、どちらが手を抜いても駄目。そういう(友達のままでは難しい)強い信頼関係を築けたことです」
――公演のタイトルが「女のキモチ」ということですが?
久下「これは、タイトルを先に決めちゃたんです(笑)。女性2人だからこそ出せるお芝居ということで」
及川「そして、独身でアラサーの私たち世代のリアルな気持ちを表現できればと思っています。この世代は、仕事をしていて、『いつかは結婚もしたい!』っていう気持ちもあったりと、苦しいし楽しいっていういろいろある年代だと思うんです。そんなアラサーの気持ちをリアルに描きたいという思いから付けました」
――意気込みとメッセージをお願いします!
及川「全て出し切りたいと思っています! 2人だけで一から全部、一歩一歩作ってきた物なので、温かい目で見ていただけたら(笑)。心を込めて演じたいと思っていますので、たくさんの方の心に何か届けられたらいいなと思っています」
久下「2人だけの力で、どこまで見せられるか、どこまで伝えられるかを妥協せずに頑張っていきたいと思っています! そして、見てくださる方に、笑っていただいて、何かを感じて帰っていただけたらいいですね」
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