SF恋愛映画「メカニカル・テレパシー」五十嵐皓子監督&主演・吉田龍一インタビュー「黒沢清監督の『散歩する侵略者』に憧れて」

2020/10/10 12:00 配信

映画 独占

映画「メカニカル・テレパシー」 (C)Akiko Igarashi


好きな人の心を、その目で見てみたいと思ったことはないだろうか?

「心を可視化する機械」をめぐる3人の男女の物語を描いた映画「メカニカル・テレパシー」が、10月9日(金)よりアップリンク渋谷ほかにて公開される。

SF的要素と恋愛感情を掛け合わせた“不思議”な映画を生み出したのが、本作が初の長編監督作品となる五十嵐皓子監督。主人公・真崎役に、AbemaTVの恋愛リアリティーショー「さよならプロポーズ2」に出演した吉田龍一を迎え、「心を可視化する」という世界を表現している。公開を前に、注目してほしい点について両氏に話を伺った。

五十嵐皓子監督「心を姿として見せる機械があったら面白いんじゃないかと」


本作は、眠って目覚めない夫・草一(申芳夫)、草一の心を見ようとする研究者・三島碧(白河奈々未)、碧に引かれる真崎トオル(吉田龍一)の3人の物語。

碧を手にしたい真崎だが、相手にとって何が幸せかを考えている。碧は、自分が見ているのが本当の「草一の心」なのか確信が持てないながらも、「草一の心」を見ることに執着している。心として姿を表す草一は、自分を思い続ける碧への別れの言葉を見つけられずにいる…。

報われず、届かない感情や心の行き場を探し求める3人のストーリーは、第12回大阪アジアン映画祭 インディ・フォーラム部門及びアメリカのThe Philip K Dick Science Fiction Film Festivalに正式上映され、日本芸術センター第10回映像グランプリでは優秀映画賞を受賞した。

――「心を可視化する機械」というアイデアはどこから来たんですか?

五十嵐「“心を可視化したらどうなるんだろう”ということを考えていて、抽象的なイメージも考えていたんですけれど、『それを実際に姿として見せる機械があって、それを軸として展開するSFの話があったら面白いんじゃないか』と思いつきました」

――その後の細かい展開はどう決めていったんですか?

五十嵐「まず“心を可視化する機械”というSF的なアイデアがありまして、それを物語として展開していく際に、好きな人の気持ちを知りたいとか、自分の気持ちがわからないとか、日常的に身近にある感情を元にして展開していく話にしたら、色んな人が楽しめるのかなと思いました」