――ここからは、主演の吉田龍一さんに話を伺います。本作への出演の経緯をお教えください。
吉田「関西だと、『映画=シネアスト・オーガニゼーション大阪(CO2)』という程知名度がある、映画の製作を行っている組織があって、関西で活動をしているのであれば、そこで1回はやってみたいという想いがあり、交流を持たせて頂いたのがきっかけです。石井裕也監督などが若い頃にそこで映画作りに励んでいらっしゃったので、登竜門ではないですけれど、そこで1度やってみたいと思って、オーディションから参加させて頂きました」
――その中から、最後の1人に選ばれたんですよね?
吉田「はい、助成制度に、映画の1作の主演ができる俳優枠もあって、俳優が全国から集まって、オーディションをするんですけれど、200〜300人が集まって、ありがたいことに、その中から選んで頂きました。CO2は何十年も映画製作の取り組みをされていたんですけれど、ラストイヤーに選んで頂きました」
――真崎は碧のどこに惹かれたと思いますか?
吉田「何か真崎に対して優しさをくれたからとか、見た目が綺麗だからだとかで惹かれたのではなく、碧さんが草一さんを必死に思い続けるその姿に惹かれたのではないかと思います」
――真崎に恋心を抱くアスミ役の伊吹葵さんとの共演はいかがでしたか?
吉田「芯があって、だけどガラスのように割れそうですごく透き通っていて純粋な印象を感じました」
――アスミとのシーンが、本作が言いたいことなのではないかと思いました。真崎も試されますが、そのシーンはどう取り組みましたか?
吉田「真崎もそうですし、登場人物みんな試されているような場面がめちゃくちゃあると思います。その試されている時に向き合うのかで先の答えが変わると思っていて、それって人生観に近いなと思います。そういうのを感じながら言葉を受けていました」
ーー完成した映画を見た感想はいかがですか?
吉田「ラストシーンで電気が暗くなっていくんですけれど、黒くなって、情景の音だけが流れてくるんですね。その時に、自然と涙しました。『人やなー』とか、『こういうのって人生なのかな』とか、自分が大事にしていたいい思い出、今まで経験してきた思い出、楽しかった思い出が浮かんできました」
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