こうやって昔の演目をリバイバル上演していると、先輩後輩、特に卒業生とのつながりを感じさせる瞬間がたびたび訪れる。柴田阿弥が歌っていた「わがままな流れ星」を末永桜花、AKB48で秋元才加が歌っていた「虫のバラード」(ともに「逆上がり」公演)を古畑が披露したのもそうなのだが、「僕の太陽」公演の「ヒグラシノコイ」からもそれが感じられた。
松本慈子と卒業生の結びつきは、北川綾巴のイメージが強いが、それ以前には東李苑から「Escape」のキーボード役を受け継いでいた。そして、「ヒグラシノコイ」の黒い衣装も、当時チームEに在籍していた東のポジション。これが意図されていた配置かは分からないが、松本が受け継いだものがまた一つ増えた格好だ。
今回のイベントでは、久しぶりに16人体制で公演が行われたが、新型コロナウイルス対策でメンバー同士が接触する振り付けは変更が施されており、例えば「手をつなぎながら」公演の「ロープの友情」では、通常2人で1本のロープを使ってする振り付けを、今回は1人1本持って行っていた。
「RESET」公演の「彼女になれますか?」では、元々は肩を組んでラインダンスをする2番の「あの噂のチアリーダー ちょっと気になっちゃう」という歌詞部分の振り付けが変更に。すると、“チアリーダー”ということで、都築里佳は同期の梅本まどかの“ナンバーワン”ポーズを披露。ファンの心をくすぐる演出を見せていた。
卒業生を思い出させる振り付けでもう一つ、「シアターの女神」公演の「チームSKE推し」の惣田紗莉渚も挙げておきたい。名前を呼ばれたメンバーが前に出てきて一言(ひとネタ?)披露するというこの曲で、惣田は自身のキャッチフレーズを言いながら“コマネチ”のポーズ。
当時、古川愛李が行っていたアイドルらしからぬ(?)パフォーマンスが、久しぶりにステージ上で再現され、少し懐かしい気持ちになった。
続く「SKE48『~12公演一挙披露祭~』現地取材で印象に残った“12のこと”<コラム・後編>」では、印象に残った6人のメンバーについて触れていく。
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