——ありがとうございます。さて、お二人が演じる貴樹というキャラクターは、図書館で本を読むことが好きな青年です。また「読書の秋」ということで、オススメの本・漫画を教えてもらえますか?
黒羽:タイトルは覚えていないんですけど、最近読んだオカルト系の漫画が面白かったです。全1巻で、死後の世界をライトに描いた作品なんですが、こういう系統のものがわりと好きで。目に見えないパワーやスピリチュアルなものに興味があるので、面白く読めました。
海宝:漫画だと、ハマっているのは「約束のネバーランド」。ホラーが結構好きなので、作品のゴシックホラーな世界観に惹かれますし、キャラクターも魅力的ですよね。
小説は、道尾秀介さんの作品が好きです。「背の眼」や「球体の蛇」が、中でも好きかな。道尾さんの物語は、とても読みやすいんです。先へ、先へと読み進めたくなるパワーが強い。エンタメ性が高くて、なおかつ人間を丁寧に描く作家さんが好きなんですが、道尾さんの作品には特にハマりましたね。
——最後に朗読劇ならでは、そして「恋を読む」シリーズならではの面白さや楽しさを教えてください。
黒羽:個人的に朗読劇は面白さを感じる手前に、プレッシャーがありまして…。噛むと、めっちゃ恥ずかしいんです! 台本を持っているだけに、普通の舞台より恥ずかしさが5倍増しになります(笑)。稽古期間がそれほど長くないこともあって、始まる前は「大丈夫かな?」と、ちょっと不安になってしまうんです。コロナ禍で芝居のできない日々が続いたので、家でも自主練をして、滑舌をよくしておこうと思います(笑)。
「恋を読む」シリーズは3回目ですが、前回は2人芝居で、今回は登場人物が5人なので、舞台上がどういう風に彩られていくのか楽しみです。
海宝:朗読劇は幅広いアプローチがあるというか、いろんなことができるなと。制約もありますが、その制約があるからこそ広がっていく自由があります。セットなどでガチガチにイメージを固めるのではなく、お客様の脳内で自由に世界観を組み立てていけるのは、ひとつの魅力ですね。
新海さんのアニメーションは美しい風景や、細かく書き込まれた絵で心情が表現されています。セットを組んでそれらを表現することもできるけれども、お客様がそれぞれ想像する風景や心情をダイレクトに自分の中に映し出せるのは、言葉の力がある朗読劇の醍醐味だと思います。
取材・文=篠崎美緒/スタイリング=橘 昌吾(海宝)、小渕竜哉(黒羽) /ヘアメイク=三輪昌子(海宝)、Ayane(Lomalia)(黒羽)/衣裳協力=MR.OLIVE(WALK IN CLOSET代官山 03-3463-5901)(黒羽)
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