井浦新が語る“憧れの大人”「いつでも子どものような好奇心に任せて動く人」

2020/10/28 15:00 配信

芸能一般 インタビュー

幅広くドラマや映画で活躍する井浦新に、自身のライフスタイルや仕事観を聞いた撮影=中川容邦/取材・文=吉田光枝/スタイリスト=上野健太郎/ヘア&メーク=山口朋子(HITOME)

「渋イイ男のDandyism」と題し、“大人”のライフスタイルや仕事観に迫る特別企画。今回のゲストは俳優の井浦新。ジャンルを問わず、幅広くドラマや映画で活躍する井浦だが、最近はどの役柄においても、にじみ出る大人の色気が目をひく。そんな彼が思う“大人”とは一体どんなイメージだろうか。

素敵だなと思う先輩方に比べると自分はまだまだ


「“大人”ってなんだろう…って、逆に相談したいくらいです(笑)。年齢的にはもう大人でしょうし、いただく役もそういったものが多いですけど、自分が思う理想の大人像というのには、まだまだ近づけてない。ああいう風に歳を重ねていけたら素敵だなと思うようなイメージには、まだなれてないですね」

――理想の大人像、憧れの存在は2017年に放送されたNHKスペシャルドラマ『返還交渉人いつか、沖縄を取り戻す』で共演した大杉漣さんだという。

「そこで最年長だった漣さんが、一番元気。現場のムードを作られていたんです。ときにはふざけて、子どもみたいにはしゃいで。逆説的なんですけど、それって大人だからできることなんだろうなと。憧れます」

――とはいえ、井浦が演じるキャラクターは渋みや色っぽさなど、大人ならではの魅力を感じるものが多い。

「役だから、という部分はありますね。自分だったら尻込みしてしまうようなことも、お芝居だからできる。役柄に憧れることもありますし。今まで出会ってきた人生の先輩方の素敵だなと思う瞬間のライブラリーが自分のなかに蓄積されているので、そこからスッと役作りのきっかけをもらうこともあります」

――役者はイメージするのが仕事だという井浦。役作りはまず、その役柄を理解するところから始めるそう。

「役柄の背景を考えるときに、そのキャラクターの嗜好……例えばタバコを吸う、吸わないなども意外と重要な要素だったりします。タバコの持ち方で、その人が見えるときがあるんです。例えば、アウトロー側の人間がものすごく繊細にタバコを持つのは違和感がある。でも逆に繊細すぎるなら『どういう人なんだろう』と思わせることができますよね。タバコひとつで、その人のバックグラウンドを語れるんです」

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