10月5日から始まったテレビ朝日の平日深夜のバラエティーゾーン「バラバラ大作戦」。これまでの“30分枠×2本”という編成を“20分枠×3本”(※金曜のみ2本)に変更し、14の新番組をスタートさせた。テレビ朝日の改編資料には、この「バラバラ大作戦」は“テレビ朝日の若手クリエイターを積極的に起用”すると書かれているが、この改編はむしろ、そこに併記されているもう一つの側面の意味合いの方が強いように思える。
併記されているのは“更なるネットとの連動強化は元より、テレビの枠にとらわれない、新しいコンテンツをお送りします”という一文。
今やテレビ番組の見逃し配信は珍しくないが、「バラバラ大作戦」の14の新番組の内、13番組が「テラサ」「テレ朝キャッチアップ(テレ朝動画)」「ABEMA」「TVer」という4つのプラットフォームで配信。「テラサ」はアーカイブも含めた会員向けの見放題サービス、その他3つは最新回の見逃し配信となっている。
唯一「ABEMA」のみの配信となっている「歌カツ! ~歌うま中高生応援プロジェクト~」(毎週木曜夜2:16-2:36)は、YouTubeでの再生回数で競う“次世代シンガー発掘リアリティーショー”という番組形式で、YouTubeチャンネル「動画、はじめてみました【テレビ朝日公式】」と連動している。
また、20分という枠ではあるが、CMを除いて実際に配信される番組の長さは15分程度。YouTubeも、チャンネル開設時にアップできる動画の時間が15分に制限されている。これらを考えると「バラバラ大作戦」の番組は、視聴者が移動中などの短い時間に配信プラットフォームを通じて見ることを考えて作られていると言っていいだろう。
ABEMA(AbemaTV)開設当初から、放送した番組をABEMAで配信したり、逆にABEMAの人気番組を深夜に地上波で放送したりしてきたテレビ朝日。
先述のYouTubeチャンネル「動画、はじめてみました【テレビ朝日公式】」にも、(最終的に番宣だったとしても)単なる番組のPRスポットではない、それ単独でコンテンツとして楽しめる、数分にわたる動画を数多く投稿しており、さらに9月には8時間の生配信イベントを行うなど、WEB配信に対する積極性をうかがわせている。
コロナ禍で動画配信の視聴時間が増えたり、大物芸能人の進出したりしたことにより、YouTubeがテレビ化してきているとも言われているが、そんな中で動画配信の視聴習慣を取り込んだ「バラバラ大作戦」が、パッケージ面からテレビ番組を“媒体を選ばないコンテンツ”に変える先駆けになるのではないだろうか。
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