今冬、ABCの創立60周年を記念したスペシャルドラマ「境遇」がABC・テレビ朝日系で放送されることが分かった。実力派女優・松雪泰子と、今もっとも注目を集める作家・湊かなえ氏の強力タッグでABCの創立60周年に華を添える。湊氏は「オンエアで観るだけでなく、録画したものを何度でも観て、その度に新しい発見をしていただけたらと思います。ぜひ原作も読んでいただきたいですね」とアピールした。
同作は累計300万部を超える大ベストセラー「告白」などで人気のミステリー作家・湊氏が、ABC60周年記念ドラマのために書き下ろした新作で、10月7日(金)にはドラマの放送に先駆け、同名の小説が発売される。主人公・高倉陽子には、自分と同じ境遇を持つ“もう一人の自分”が存在。運命、絆、人とのつながり、その中で不器用に生きる二人の女性の明暗を、湊氏が人間の弱さや負の感情に容赦なく切り込む独自の視点で鋭く描写し、ほかに類を見ない不思議な異質感と情感あふれるヒューマンミステリーとなっている。
松雪演じる主人公・陽子は、親に捨てられながらも、夫と息子に恵まれ平穏な日々を送る女性。息子のために描いた絵本がもとで誘拐事件に巻き込まれ、思いもよらぬ過去を辿ることになる。そして、陽子の親友で、陽子と同じ境遇を持つ女性・相田晴美をりょうが、陽子の夫・正紀役は10月スタートの新ドラマ「DOCTORS 最強の名医」で主演を務める沢村一樹が演じる。ほか、東幹久、岸部一徳、西村雅彦、野際陽子、いしだあゆみら豪華キャストが出演する。
主演の松雪は「全編を通して、もしかしたら息ができなくなってしまうほど、緊張感があるかもしれませんが、しっかりと腰をすえて観ていただける作品に仕上がっていると思います。私自身、常にそういう重厚な作品作りをしたいと思っているので、今回はそういった作品をお届けできるのがとてもうれしいです。ぜひご覧ください」と胸を張った。
原作者の湊氏は、ドラマのために小説を書き下ろしたことについて「『読むドラマ』みたいな感じの小説も面白いのではと思い、ドラマを意識しながら書きました。私が書いてきた小説には風景描写はあまりなくて、読み手に想像してもらうことが多かったんですが、今回は色であったり、建物や施設の様子であったり、そこにある景色を意識して書きました。おかげでこれまでとは違ったものができて、良かったなと思っています」と新しい試みにも自信をのぞかせた。
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