10月から始まるフジテレビ系の深夜アニメ枠「ノイタミナ」の次回作「UN-GO」(あんご)。作家・坂口安吾の小説「明治開花 安吾捕物帖」を題材に、現代風にアレンジしたアニメ作品で、監督・水島精二、脚本・會川昇、制作・ボンズという、大ヒットアニメ「鋼の錬金術師」を手掛けたスタッフが再結集することでも注目される。近未来を舞台に、探偵・結城新十郎と謎の少年・因果(いんが)がさまざまな事件に向かっていくというストーリーだ。
作品のキーパーソンの一人、因果役を務める豊崎愛生が、放送開始を前に思いを語った。「この作品は推理ものではあるんですが、トリックがどうのこうのというところよりも、人々の心情やバックグラウンドがすごく丁寧に描いている作品で、ヒューマンドラマ的な面白さがあります。また、人物の心情が丁寧に描かれているので、キャラクターたちもすごく魅力があります。たとえ悪者的な感じで描かれているキャラクターでさえ、いきいきとしていて味があります。あと、謎が多いのも作品の魅力ですね。因果というキャラクター自体もそうだし、新十郎と因果の関係、なぜこの二人が一緒にいるのかということもそうだし。作品を見ていく中でちょっとずつ明かされていったり、劇場版(11月公開の映画「UN-GO episode:0 因果論」)を見るなりして楽しんでいただけたらいいなぁと思っています」
なお、因果は、結城新十郎に常について回るアシスタント役。何なのか、誰なのかも明かされない少年だが、そのキャラクターと自分との共通点を尋ねたところ、「因果ははっきり言って自分とは似てないんです(笑)。探してみるんですが、因果は私と似てるところがなくて困ってます(笑)。私自身、演じていく中で、この子はこういう子だとか、こういう顔するんだとか発見の連続ですね。また、因果自体が人間離れしたつかめない存在というキャラ設定で、今までこうしていたのに突然こうするとか、今まで天使みたいな顔だったのに突然こんな悪い顔するとか、トリッキーな感情変化や展開の早いキャラクターで、謎が多いなぁって思っています」
また、因果というキャラクターの位置付けを冷静に見て、「作品では、因果以外はみんなリアルな人間というか、こういう人いるいるっていう人ばかりなんです。その中で因果だけがけっこう異質で、そういう意味でアニメの中で唯一マスコット的な存在で、自由にできるポジションにいます。面白い顔をしたり、かわいい動きをしたりというアドリブができるのは因果くらいですね。なので、無邪気さみたいなものはしっかり出せていけたらいいなぁと思い、アドリブなんかでも自分らしさをちょっとだけ混ぜてみたりとか、そういう試みもやっています。作品の中で少し浮いちゃうんじゃないかなと思うキャラクターですが、異質なものが一人いることでスパイスになると思っています」と自分なりの分析を語った。
最後に豊崎は放送を待つ人たちにメッセージを残した。「『UN-GO』は、木曜の夜に、大人が見て楽しめるアニメです。表と裏とかそういうものがすごくいっぱい描かれていて、きっと何かしら心の中に残るものとか考えさせられるものがある。そんな作品なので、ぜひ見て、一緒にいろいろ考えてもらえたらうれしいと思います」
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