11月5日(土)~20日(日)に東京・新国立劇場にて上演される泉鏡花の傑作戯曲「天守物語」の公開稽古が11月3日に行われ、出演の篠井英介、平岡祐太が囲み取材に応じた。
'17年に発表された泉鏡花の「天守物語」は圧倒的な言葉の魅力で夢幻の世界を描き、これまで新派劇、映画、歌舞伎、オペラなどさまざまな形で上演されてきた。播州姫路の白鷺城に棲む美しい妖怪・富姫と若く凛々しい鷹匠・図書之助との恋物語を描いたもの。
篠井は「姫路城の天守閣に住む妖怪のお姫様の役をやります。妖怪っていっても美女です。そういうふうに見えないと思いますが設定は美女です。100年前のお芝居ですが、日本を代表する名作で、見どころはひたすら平岡祐太の格好良さ。それにつきると思います」と話し、一方、図書之助役の平岡は「妖怪界に迷い込む人間で、そこに姫に出会ってラブストーリーが展開します。人間が妖怪に恋をする役です。見どころはたくさんあるんですよね。この劇場に来たら圧倒的な世界観になっています」と語った。
今回の舞台で大変なところを聞かれた平岡は「古典なんですけどすごく現代的な要素も多く取り入れているんです。ステージングに関してもすごくテクニカルで、セットも凝ってるし、とても危険なセットでもあるので、そのセットで芝居をするというのが大変ですね」と答え「せりふは当時のままなので、最初は大変でした。演出の白井さんとけいこに入る前から2人で合わせてました」と明かした。
初めての共演ということで篠井は「すばらしいです。最初はどうなることやらと大変心配してたんですが、いまやこの劇世界を背負って立つ大ヒーローに成長し、素晴らしい成長ぶりです。時代劇はむずかしいので、若い方には大変なんですけど、殺陣もすばらしくて見ごたえがあります。なので、平岡は見かけによらずすごい。何しろ顔つきがすばらしく、目の力とか表情というのは作ってもできないもので、心から出てくるものです。祐太君がだんだん立派な男になっていく姿を見てとても楽しい日々を過ごしました」と平岡の印象を。
さらに、篠井は「意外と男がやることで強さとか出ますよね。だから男の声も使って女なのにあんな声?みたいなところが妖怪の声を表現できるかなと。この世の者ではないみたいな、祐太君は人間として呼吸をしてるのに対して、僕はわりと息を詰めていたり、違う呼吸法で表現しようと心がけてますね」と役作りについて語った。
最後に、平岡は「現在、僕たちは西洋文化の生活に慣れ親しんで、西洋文化の暮らしになってきている中で、どんどん失われていく日本の美しい文化をこの舞台で再確認していただきたいです。この素敵な世界観に夢を見に来てください」とアピールし、篠井は「この平岡祐太が日本男児の代表選手を演じるような見事な若侍ぶりです。日本っていいな、日本の男っていいなって思っていただける舞台です。大スペクタクルになってますのでぜひお越しください」とメッセージを送った。
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