1月13日(金)からBS放送のFOX bs238で、全米で人気のゾンビドラマ「ウォーキング・デッド」が放送スタート。主人公の妻ローリ・グリムスを演じるサラ・ウェイン・キャリーズが放送に先駆け来日し、見どころや彼女自身の人生観を語った。
「ウォーキング・デッド」は、「ショーシャンクの空に」の監督フランク・ダラボンが手掛けた、ベストセラーアメコミの実写版。ゾンビがはびこる黙示録的なアメリカで、生存者たちが奮闘する姿を描く。
サラは、「プリズン・ブレイク」で愛する人の脱獄に手を貸す医師・サラでもおなじみ。本作では、主人公である夫のリックが亡くなったと思い込み、夫の親友シェーンと関係を持ってしまった女性・ローリ役に挑戦している。
――出演した感想は?
原作コミックも読んだことがなかったし、ホラー作品も見ないので、好きじゃないだろうと思っていたけれど、脚本を読んでみて、「ぜひやりたい!」と思いオーディションを受けました。制作陣も豪華で、とてもやりがいがあると思いました。
原作は撮影に入る前に雰囲気をつかむために読みました。夫が死んだと思い込み、夫の親友と関係を持つなど、突飛な行動に出るローリですが、すべての言動には彼女なりの理由があるはず。その筋道を立てて、原作とは違う私なりの“ローリ像”ができたと思います。
――「ウォーキング・デッド」とはどんな作品ですか?
この作品は、エンターテインメントとしてはもちろん、社会の醜い部分をゾンビに置き換えて実感することができると思います。悲しみ、怒り、苦しみに満ちた世界で、それに負けず、いかに人間の道徳や希望を見失わずに生きていくかを伝えられればと思っています。
ローリがひかれる2人の男性、リックとシェーンは、変わりゆく世界での対極の考え方を表しています。リックは、人間としての優しさや、当たり前のことを持ち続けることが大切という、哲学的なスタンス。一方シェーンは、サバイバルこそが善だと考えているので、今までの社会で当たり前だったことは排除しても構わないと考えている。どちらも間違っていないけれど、どちらでも犠牲者は出る。難しい選択ですね。
――もしサラが「ウォーキング・デッド」のような状況に陥ったらどうしますか?
本当のところは極限の状況になってみないとわからないけれど、そういうときこそ自分がどういう人間かを知ることができると思います。ローリと私の共通点は“母親として子供を守りたい”ということかしら。張り詰めたサバイバルを展開するこの作品に関わる中で、21世紀のこの暮らしはラグジュアリーなんだと改めて実感しました(笑)。
――最後にメッセージを。
「ウォーキング・デッド」は誰もが共感できるストーリーで、いろいろな解釈ができる作品です。世界中のどのファミリーもさまざまな不安を抱えていて、数分後には何が起こるか分からない。日本の震災もそうだし、世界を見渡せば、どこかで戦争や内紛が起きています。ただ歴史的に見ても、悲しみの中でも“希望”や“愛”は必ず存在する。作品の中でも現実でも、それを忘れないようにしたいと思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)