映画「ライフ・イズ・デッド」が、東京・シネマート六本木にて2月11日(土・祝)より公開される。
同作品は、病状が悪化するとゾンビ化してしまうというウイルスに感染した青年とその家族が、悩みながらも前向きに病気と闘っていく家族愛を描いた物で、これまでのゾンビ作品の世界観を覆す野心的な作品。今回、ウイルスに感染し、ゾンビ化してしまう青年・赤星逝雄(ユキオ)を演じた主演の荒井敦史に独占インタビューを行った。
――台本を読んだ感想は?
ゾンビって聞いて、全く想像できないっていうか…海外のゾンビ映画みたいに、たくさんのゾンビが出てきて倒すっていうんじゃなく、しかも自分がゾンビだし、ゾンビになるんじゃなくて、すでになってるっていうのが、難しかったですね。「どう演じたらいいんだろう?」っていうのが一番の不安要素でした。
――ウイルス感染というストーリーについてはいかがでした?
(SFだけど、SF過ぎず)演じてる自分たちも入りやすかったので、見てくれる人たちも入りやすいんじゃないかな? でも、すごい設定ですよね! 無くはないっていうのが、見ていてリアルに入り込めると思います。
――ゾンビ役でしたが、役作りは?
取りあえず、映画の「バイオハザード」をミラ・ジョヴォヴィッチ側ではなく、ゾンビ側の視点で見ました(笑)。(ゾンビが)殺されていくたびに悲しい気持ちになりました…。
――監督から特別な指示はありましたか?
「意思を伝えればいいから、台本をそんなにきちんと覚えてこなくていい」っていわれました。だから、流れだけ把握するにとどめて、せりふは多少頭に入れていった程度でした。1週間で撮ったので、(始めから順に撮影していく)順撮りができなくて、大変でした。病状が悪化していく役柄なんですけど、病気のレベル(※劇中では、ウイルスの感染レベルが1~5の5段階に分かれている)が5から3になったり、4から2になったり…「さっき、どのくらいの速さで歩いてたっけ?」って思いながら演じました(笑)。
――他に苦労した点は?
(妹・消子役の)ヒガリノちゃんが、(年齢が)一つ上なんですよ。だから、撮影に入るまでは「俺、年上に見えるかな…」って不安でした。でも、大丈夫でした(笑)。
――ヒガリノさんの印象を教えてください
毎日イベントを起こしてくれるんですよ!(笑) 撮影初日に、まだ手を付けていないカレーを全部こぼしちゃう。それを皮切りに、毎日、何かしらをこぼすっていう…。いろいろ、みんなからツッこまれて、俺が拾うっていう、なんとなくの関係ができたので、最初の不安はすぐに解消しました(笑)。初日のシーンが二人で歩いてくるシーンだったんですけど、ぎこちなさが出ないように、取りあえず話す! ひたすら話す! っていうのを意識しましたね。
――逝雄のイメージは?
周りから愛されているのは、今まで良くしてきた恩が返ってきているんだろうなと。だから、いいやつなんだろうなって感じました。いい奴だからこそ、周りに愛されているし、ゾンビになっても周りから見捨てられたりしないんだなって考えたんです。自分の気持ちを押し殺して、「周りに感謝していこう」っていう姿勢がありましたね。本当に強い心の持ち主なんだなって思いました。
――現場の雰囲気は?
ストーリーに反して、にぎやかでした(笑)。撮影は撮影、休憩は休憩って切り離してやってました。監督も含めて、みんなで丸くなってご飯食べたり。(父親役の)小林すすむさんが、ミルク味のあめをくれたんですが、小林さんのイメージにはない、牛のイラストの書いてあるあめで、つい笑っちゃいました(笑)。
――もしも、逝雄のような境遇になったら?
俺は、好きな事して生きますね! 逝雄とは全く逆! 残された時間を好きな事だけやっていきますよ。台本読みながら「もっと好きな事やっちゃおうぜ!」って思いましたもん(笑)。
――作品の中では、思いを寄せる看護師に、曲で気持ちを伝えるシーンがありましたが、自身のアプローチの方法は?
取りあえず、話し掛けますね。話して様子をうかがう! 反応を見つつ「どんな子なんだろう?」と探ります。
――今後やってみたい役は?
ゾンビじゃなく人間になって…(笑)、家庭環境も良くなくて、追い込まれている役に挑戦してみたいです。追い込んで、自分にできる限界を見てみたい! 「睡眠時間も食べる量も減らさないとこんな役やってらんない」っていうくらいの役を人生で3回やりたい! 3回くらいやったら、自分の中で(追い込まれている役も)楽しめそう(笑)
――最後に、見どころをお願いします
いろんな人の視点から見てほしいですね。キャラクターそれぞれの立場や考えがあって、いろんな思考や思いを感じることができると思う。あとは、俺のゾンビを!(笑) 初のカラーコンタクトに挑戦したんで! 物語はコメディーじゃないけど、コメディーの要素もあるので、楽しめるんじゃないかな。
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