舞台「ラ・パティスリー」が3月3日(土)~11日(日)まで東京・池袋・サンシャイン劇場にて上演される。出演者の高橋愛と井上正大にインタビューを行い、舞台の見どころを語ってもらった。
本作は上田早夕里の同名小説が原作。洋菓子店「ロワゾ・ドール」で働く新米パティシエの夏織(高橋)はある日、誰もいないはずの厨房で飴細工作りに熱中している恭也(井上)を見つける。恭也はこの店のシェフだと言い張るが、従業員の中に恭也のことを知る者がおらず不審者扱いをされる。騒ぎを聞きつけたオーナーの春恵(阿知波悟美)は恭也が記憶をなくしているのにも関わらず、店の内部にまで詳しいことから数年前に出て行った息子に関係ある人物ではないかと推測。恭也を受け入れ店を盛り立てていくというストーリー。
――お互いの第一印象を教えて下さい
高橋「でかい!(笑)。私より年上だと思っていましたね」
井上「最初のポスター撮りのときに同い年くらいかと思っていたんですよ。でも、他の方と話している姿を見て『あ、年上だろうな』って思いました。行動もそうだけど、話せば話すほど大人だなって」
――お二人とも原作を読まれたということですが、ご自身の役のキャラクターをどのように捉えられているのでしょうか?
井上「恭也も夏織も原作とちょっと違うんですよ。僕の役は原作だと冷たい感じの人だと思っていたんですが、台本だと人間味のある人になっていて。今まで人間っぽくない役が多かったので、僕にとってはすごく新鮮でちょっとした挑戦ですね。あと僕は今22歳なのですが、恭也は30歳くらいなので、大人の対応を勉強中です。(共演者の)西村(直人)さんを見ていると大人だなと思うことが多いので、こっそり参考にしたりしています(笑)」
高橋「夏織ちゃんは自分と同じ年だし、全くかけ離れている人ではないですね。違う人生ではあるんですけど、何かに打ち込む姿勢がわかるなって。夏織ちゃんから学ぶことも多いので、何か一つ自分の引き出しが増えればいいなと思っています」
――役とご自身で似ているところと似ていないところを教えてください
高橋「夏織ちゃんはちょっと無神経なんですよ(笑)。後から気付くんですけど、言う前に考えろよ! みたいな。私はグループにいたからか空気を読んだり、バランスを見たりしてしまうのでそこは違いますね。逆にそういう風に生きたいなって思います。ちょっとあの性格がうらやましいです」
井上「僕のほうが夏織に似ているんじゃないかって思うんですけど(笑)。つい思ったことを口に出してしまうし、『本当にそう思っているの?』って言われちゃうし。自分で言うのもなんですけど、僕はまだ子供だなって思うんですよ。でも恭也は大人で、自分と真逆の人なんですよね。だからあまり似ていないんですけど…。
高橋「一つのことにのめりこんじゃうところは似ているんじゃない?」
井上「なんで知っているんですか?(笑)。でも、確かにそこは似ていますね。恭也は好きでパティシエをやっていて、僕も好きなことしかやりたくないタイプの人間なので」
――演じる上で気をつけているポイントはありますか?
井上「若い人は大人ぶっている人が多いと思うんですよ。でも大人は大人ぶらないし。だから大人ぶっているように見えないよう気をつけています。今まで生きてきた積み重ねのようなものも見せていかなきゃいけないので難しいですね」
高橋「新米パティシエとはいえ学校で習っていたわけだし、手つきとかできていなければならない動作に気をつけています。シェフよりはできないけれど、あれができてうらやましいなってところまでいかなきゃいけないので、もっと勉強しなきゃいけないなと」
――今回はパティシエのお話ということですが、お互いをお菓子に例えると何ですか?
高橋「恭也だったらフォンダンショコラですね。見た目は堅いけど、中身はふわーっとしているじゃないですか。恭也みたいななんでもできるような人がちょっと弱音を吐いてこっちがドキッとさせられるところとかがフォンダンショコラっぽいかなと。井上さんだったら、うーん…フルーツタルトかな。若いのでいっぱい果物が乗っていてフレッシュな感じで」
井上「二人ともイチゴのショートケーキかな。夏織の場合は、ショートケーキって昔から変わらないじゃないですか。『私、絶対に変わらないんで』みたいなちょっとかたくななところが夏織っぽいかなと。高橋さんの場合だとみんなが好きっていう意味ですね。親しみやすいですし、明るくて自分をパッと出しているところがショートケーキっぽいなって思います」
――最後に意気込みをお願いします
高橋「私もそうでしたけど、厨房の奥ではこういうことが繰り広げられているんだ! とか、こうやってケーキが作られているんだなって発見が多いと思いますし、それを知ることによってケーキを食べる気分も変わってくると思います。皆さん悩みとかいろいろあるでしょうけど、この舞台を見たあとにほっとした気分になっていただけたらいいなと思うので、頑張って稽古していきたいと思います」
井上「基本的に本気で思ったことは実現すると思っていて。僕はそういう想いを大事にしているし、舞台でもそういうものを伝えていきたいって思っているんですね。でも恭也は想いがあってもそれがあまり表に出る役ではないですし、お客さんが(想いを)感じにくいと思うんです。今苦戦中ですけど、恭也の想いが皆さんに伝わるよう演じていきたいと思いますので楽しみにしていて下さい」
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