おすすめはアンコール・ワット! 坂口憲二が語るアジアの魅力

2012/03/13 20:17 配信

芸能一般

「坂口憲二私旅行 アジア万感」が好評発売中の坂口憲二

BSフジにて放送されたドキュメンタリー番組「坂口憲二私旅行 アジア万感 第一章」のDVDが発売中。

同作品は坂口がアジアの国々を巡り、現地の暮らしや歴史に触れるドキュメンタリーシリーズ。DVDには「ネパール編」と「カンボジア編」に加え、番組で放送されなかった「ベトナム・タイ編」も収録されている。今回はDVDの発売を記念して坂口にインタビューを行った。

――今回の旅の目的地にアジアを選ばれたのは坂口さんのご意思なのでしょうか?

僕の思いもありつつ、スタッフの思いもありつつ、半々で決めました。こういう旅番組を20代のころから同じチームでずっと作っているのですが、最初は世界をランダムに回ったんですね。それで帰ってきたときに世界のことはなんとなくわかったけど、日本のことはどうなんだろうと思ったのでその次は日本を回って。そのあとに次はどこに行くか話していたときにアジアって何だろうねって話になったんです。言葉としてはわかるけれど、具体性に欠けるというか。行くなら“いちばん”がつくところに行きたいと思ったので、世界一高い山であるエベレストがあるネパールを選びました。

――ネパールではエベレストを見るために初めて登山に挑戦したそうですが、実際にご覧になっていかがでしたか。また、その時に苦労したことなどがあれば教えて下さい。

山の上にもう一つ山があったっていう感じですね(笑)。海でもよく圧倒されることはあるけど、山はまた違っていてすごく感動しました。トレッキングはやっぱりしんどかったです。自分の内面との会話というか、しんどければしんどいほどいろんなことを考えてしまって。それに物資が豊富ではないし、電気や水道も整っていないのでこれ絶対ヤバいなっていう食べ物が結構あったんですよ。なので、ゆで卵やインスタントラーメンぐらいしか食べられなかったのはちょっとつらかったですね。でも目的地に着いたときの達成感とそこで見たエベレストは今までに味わったことのない感動がありました。あと海だと1人だけど、山は世界中から集まったトレッカーや現地の人たちとの交流もあって楽しかったです。

――トレッカーや現地の人と交流してみて、どのような点に日本との違いをいちばん感じましたか?

日本人は選択肢が多すぎるなって思いました。それが恵まれているってずっと思っていたけど、そうでもないのかなって。例えばシェルパという荷物運びの人たちがいるのですが、あの場所に生まれたらそれしか仕事がないんですよね。でも車なんか走れない場所だから彼らがいないと物資が届かなくて生活が成り立たない。そういうところに生まれてその仕事をまっとうする潔さみたいなものがすごくかっこよく見えました。

――今回アジアを旅して特に印象に残った国や街はありますか?

(ネパールの)カトマンズは面白かったです。人が生きるエネルギーみたいなものをすごく感じたというか。今って人と関わることを避けるような風潮だけど、逆に人とぶつかりあっていて。例えば朝からクラクションをガンガン鳴らして「俺が通る! 俺が通る!」みたいな感じって今の日本にはないものだなと。市場でも1つでも多く自分のものを売ろうっていうところとか、ありのままで生きている感じがうらやましくて憧れますね。

――もう一度行きたい場所やおすすめの場所を教えて下さい

やっぱりアンコール・ワットですかね。同じ建物なのに朝と夕方では全く見え方が違うんですよ。それにカンボジアの人たちが素朴でいい人たちなんです。ヨーロッパの文化が少し混ざっているから食べ物もおいしいし、建物もおしゃれなのでまた是非行ってみたいです。

――旅の必須アイテムや絶対に持っていくものはありますか?

日記をつけることかな。映像も残っているけど、現地で書いたことを何年後かに読み返すとその時の空気や(触れ合った)人の温かさみたいなものが蘇ってくるんですよ。僕の場合は記録みたいな感じでしか書いていないけれど、それでもまたそこに戻れるその感じがすごく好きなので。普段は手帳ぐらいしか持っていないけれど、どこかに行くときょうは何をしたとか、どこに行ったとかそういうことを書いています。

――その旅日記を付け始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

初めて世界を回ったときになんとなく書いてみようかなって思って。沢木耕太郎さんの「深夜特急」という小説があって。それが好きで、沢木さんも日記を書いていたのもあって始めた感じですね。

――最後に読者の方にメッセージをお願いします!

一緒に旅している気持ちになっていただければいちばんうれしいですね。あとは是非皆さんに自分なりの旅をしてもらいたいなと。ツアーの旅行もいいけれど、五感を使ったり、自分の足を使って旅をすると帰ってきたときに自分が一回り大きくなれると思うので、迷ったり悩んでいる人は旅をして違う自分を見つけてほしいなと思います。