普通の人から剣豪まで! 阿部力独占インタビュー

2012/03/20 12:30 配信

映画

普通の人から幕末の剣豪まで演じ分ける阿部力

現在公開中の映画「ゴーストライターホテル」に主演し、3月23日(金)より上演の舞台「池田屋・裏2012」では、沖田総司を演じる阿部力にインタビューを敢行。役作りや映画の撮影秘話、稽古の様子などについて聞いた。

映画「ゴーストライターホテル」は、阿部演じる作家志望の内海文一が、かつて、名だたる文豪たちが執筆のためにこもったというホテルに泊まり、執筆を試みる。そんな中、筆の進まない内海の前に、人気芸人たちが演じる文豪たちの幽霊が現れ…という奇想天外な幽霊コメディー。一方、舞台「池田屋・裏2012」は、幕末の「池田屋事件」を、池田屋の裏の家を中心にコメディータッチで描く。

――映画「ゴーストライターホテル」は、奇想天外なコメディーですが?

コメディーは、見るのはもちろん、芝居を作るときに面白いことを考えるのもすごく好きなんです。だから、こういうコメディーの話に出演できて、すごくうれしい! 自分のやる役は、笑わせるキャラクターの役じゃないんですけど、こういう作品に出られるということはすごく幸せですね。

――台本を読んだ感想を教えてください。

素直に面白かった! でも、幽霊たちを演じるのが芸人さんたちなので、どういう展開になるのか全然想像がつかなくて、演技プランが全くイメージできなかったんです。台本を読んだだけだと、現場でのせりふの投げ合いなどが全然分からなくて、全部現場で作っていったという感じです。

――撮影に入ってみていかがでした?

さすが芸人さんという感じでアドリブがすごかったです。アドリブに付いていけなくて、つい笑っちゃったりしたことも多々ありました。やっていて『これは使われないだろうな』っていう部分もたくさんありましたね(笑)。こういう、いい意味で緩い映画があってもいいなって思います。

――役柄については?

すごく普通な人だと思います。自分のやりたいことがあるけれど、なかなかうまくいかないというのは、すごくリアルだなと思います。でも、周りに応援されて、最後まで自分のやろうとしていることをやってみるという思いがある。そういう部分は、すてきだと思いました。演じる上では、あんまり「この役だから、こうしなきゃいけない!」みたいなことは考えず、現場の雰囲気を自分で感じ取って演じました。自分の素に一番近いかもしれない。周りのキャラクターが結構濃いので、なるべく普通を意識して演じたんですが、やっているとちょっと遊びたくなる気持ちも出てきて大変でした(笑)。

――映画では、内海が文豪たちの力を借りて夢をかなえますが、ご自身のかなった夢と、かなえたい夢を教えてください。

かなった夢は、最初は台湾で仕事をしていたんですが、「日本で仕事がしたいな」という思いがずっとありました。そしていま日本で仕事ができているということ。かなえたい夢は、世界一周の旅かな。いろんな国や文化を見て回りたいですね。

――見どころをお願いします!

たくさんの芸人さんが文豪を演じているという、ちょっとおかしな設定(笑)。そして、夢を諦めるのではなく、最後までやれば何かしら見えてくる物があると思う。そんな、「諦めない」ということを感じてもらえたらうれしいですね!

――現在稽古中という舞台「池田屋・裏2012」は、幕末の大事件がテーマですが?

確かに、歴史的な大事件なんですが、事件自体を面白く見せようとしている作品で、歴史が分からなくても楽しく見られる舞台です。勢いもすごくあって、殺陣もあったりと、見ていてあっという間に終わっちゃう舞台だと思います。

――沖田総司を演じるに当たっては?

まず、殺陣をあまりやったことがなかったので、立ち芝居の稽古の前に、1カ月くらい殺陣の稽古をやったんですが、すごく大変。自分だけじゃなく相手との合わせもあって、時間がすごくかかるんです。剣の強い沖田を演じる上で、見ている人に沖田が剣が強いことを分かってもらえるように頑張っています。一つ間違えると、みんな狂っちゃうので、毎日10時間くらい殺陣の稽古をやってるんですよ。やっぱり(時代劇は)普通の芝居よりも難しい…。でも、こういう経験ができることがすごく大事なんです。自分のためにもなりますから(笑)。また、沖田は、戦う時は冷静で強いんですが、普段は優しいところがある人。そういう優しさもうまく表現できたらと思っています。

――稽古場の雰囲気を教えてください

出演者だけで44人いるので、なかなかみんながそろうことがないんです。稽古では、代役の方がいたりとか。たまに「あれっ? この人、何役だっけ?」ってことがありますね(笑)。また、内容が、結構笑える面白い話なので、稽古場でもしょっちゅう笑っています!

――最後に見どころをお願いします!

殺陣あり、太鼓あり。そして、新鮮な時代劇が見られると思います!