声優・くまいもとこと森久保祥太郎が語るアニメ「メジャー」の魅力

2012/05/07 21:19 配信

アニメ

アニメ「メジャー」の主人公・吾郎の声優を務めたくまいもとこと森久保祥太郎

アニメ「メジャー」の主人公・吾郎の歴史を振り返る「メジャー 吾郎ヒストリー」が5月1日~4日に続き、5月7日(月)~11日(金)にわたってディズニーXDにて放送される。

本作は満田拓也による漫画「MAJOR」が原作。アメリカ・メジャーリーグの選手になることを目指す球児・吾郎が数々の試練を乗り越え活躍する姿を描く。今回は番組の放送を記念して吾郎の声優を務めたくまいもとこと森久保祥太郎にインタビューを行った。

――くまいさんが少年期を、森久保さんが青年期を担当されていますが、同じ人物を演じるに当たって声の出し方など、お互いに意識した点はありますか?

くまい「私は先にやったもの勝ち! って感じです(笑)」

森久保「僕はくまちゃんの演技を見てしまうと変に固くなってしまう気がしたし、僕は僕なりにやろうと思ったので原作だけ読んでオーディションに行きました」

くまい「なんていうか、お互いそのままだよね(笑)。私が男に生まれていたらこうなっていたのかなって感じ(笑)」

森久保「うん。やっていくうちに自然とくまちゃんの吾郎の感じが僕の中にも移ってきたというか。くまちゃんが作ってくれたイメージを芯にして僕は演じていました」

――吾郎はどんどん成長していくわけですが、成長によってどう演じ分けていたのでしょうか?

森久保「根本はあまり変わっていないですね。環境が変わっていくので、それに対する対応は変わっていくけれど、根っこの部分は子供のころから何も変わっていないんですよ。とにかく野球が好きで、周りが止めても自分がこうだと思ったら突き進むし」

くまい「3歳から5歳ぐらいまでのときと9歳くらいのときでは声の高低差をつけたりしましたけど、根底にあるものは祥太郎くんが言った通り全く変わっていないです。なので、ここを変えたとか苦労は特にないですね」

――自分の中にはないお互いの良さや、すごいなって思う点はありますか?

くまい「いっぱいありますよ。今回に関してはやらせていただいたからには最後までやりたかったけれど、中学・高校になったら女の私ではどうしてもできなくて。でも、祥太郎くんがスピリットを継承してくれていたのが本当にうれしかったから、『(青年期が)祥太郎くんでよかった!』ってメールしました」

森久保「この人、本当に吾郎だなって思ったエピソードがあって。(ヒロインの)清水が吾郎を好きなことって普通に見ていればわかるはずなんです。でも、吾郎はその気持ちに気付いていないから、くまちゃんもわかってなかったんですよ!(笑)。それほどのめりこんでいたんだ、すごいなって思いましたね」

――演じる上で野球アニメならではの難しさというのはありますか?

くまい「リトルリーグ時代はほとんどのキャストが女性だったので、野球のことを分かっている人が少なかったんです。なので、変化球の名前とか野球用語に対して『それって何?』って思いながらアフレコをしていた人もいたかもしれないですね(笑)」

森久保「でも、男ばっかりの青年期も自分含め野球詳しい人があまりいなかったのでその大変さは一緒でしたよ。あとは、試合のシーンだとプレーヤーだけでも18人いるのに監督やコーチといったところまでちゃんと(声優を)揃えてしまうとすごい人数になってしまうから、複数の役を掛け持ちしている人もいたんです。だから、ピッチャー役の人が投げた直後に審判役で『ストライク!』って言っていたりするんですよ(笑)。ちなみに僕も1回だけ審判役をやりました(笑)」

――本作では吾郎の熱い名言も人気を集めていますが、特に印象的だった言葉はありますか?

くまい「幼少期に限って言えば『俺のコーチはおとさんだけさ』っていうのがあって。父親という絶対的な存在がいるから、リトルリーグの監督とか他の人のことを絶対に監督って呼ばないんです。その台詞がすごく吾郎を象徴している気がして、印象に残っていますね」

森久保「『俺のわがままで始まったことなのに、あいつらは俺に思いを託してくれた。だから俺はここで負けるわけにはいかない』っていうのですかね。それまでの吾郎は自分のことしか考えていないところがあったんですけど、そこで初めて周りの気持ちをちゃんと汲み取ったのがすごく成長したなって思ったので」

――最後にディズニーXDで現在放送中の第6シーズンの見どころをお願いします。

森久保「それまでと同じように吾郎は自分の身に降りかかる困難に対して前向きに立ち向かっていくんですけど、清水との関係含め、久しぶりに野球だけではない吾郎の人生が描かれるので、こいつ野球だけじゃなかったんだなって思っていただけるのではないでしょうか(笑)。あとは父親が亡くなった原因を作った人物に勝たなきゃいけないっていう子供のころからの思い込みから離れて純粋に野球を楽しめるようになった部分や、まだまだ終わらない吾郎の戦いを楽しんでいただけたらうれしいですね」