「第4位、AKB48チームA、指原莉乃!」その瞬間、少女は思わず天を仰いだ後、起立してファンに向かって一礼した。
6月6日。東京・日本武道館。“ヘタレ”キャラで“イジられ”キャラの三枚目アイドルが、“神7”と呼ばれる上位7人の中に選ばれた瞬間である。
バラエティー番組での企画で、バンジージャンプが飛べなかったことをきっかけに“ヘタレ”アイドルとして人気を集め、秋元康総合プロデューサーが「面白い!」と太鼓判を押した公式ブログ「指原クオリティー」でブレイク。昨年の第3回AKB48選抜総選挙で第9位に躍進後、「笑っていいとも!」レギュラー決定や、ソロフォトブックの発売、連ドラ主演、CDソロデビューと続々と活躍の場を広げた指原は、「第4回AKB48選抜総選挙」の速報で、第4位と発表された。
速報発表を受け、「みなさんのおかげで、速報四位のポジションでMCができて…感動した。嬉しかった。まだ速報だけど、感謝」(公式ブログより)とコメントするも「指原以外の人が神で、神3とんで4でいいんです。神に入らなくてもいいんです」と心境を語っていた。
速報発表後、“神7”と呼ばれていたメンバーたちの追い上げにより、順位が下がるだろうという大方の予想を裏切り、見事4位に輝いた指原は、壇上で「ここに来て、どんどん順位が呼ばれていた時、本当に不安でした。『きっと、ここに立っても弱音ばかり吐くだろう』と、そんな自分にも嫌気が差していましたが、今、(篠田)麻里子さまの言葉を聞いて、『私はもう絶対に弱音は吐かない』と決めました! とか言っても、今は泣いてしまっているんですけど…。本当にファンの方に感謝していますし、大分県から上京した時、こんなことになるとは思いませんでした。第1回選抜総選挙で、選抜に入れなかった時、こんな日が来るなんて思っていませんでした。たくさんの感謝すべき人がいるんですけど、本当に『指原でも4位になれるんだ』と勇気にしてくれる人がいるのなら、もっともっと頑張らなきゃなと思いました」と明かし「大分県で応援してくれているお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんに感謝して。まぁ、残念ながらこれは放送されていないんですけど…。中継で、お母さんも応援してくれていると思いますし、何より、たくさんのファンの方が応援してくれています。私は絶対にもう、弱音を…なるべく吐きません。そんな“ヘタレ”じゃない私になってしまうかも分かりませんが、これからも応援よろしくお願いします! 本当に、本当に、本当に、本当にありがとうございます!!」と力強い思いと、ファンへの感謝の念を語った。
これは、指原4位の発表前、第5位となった篠田麻里子の「潰すつもりで来て下さい。そんな心強い後輩が出てきたら、私は笑顔で卒業します」という後輩たちへの熱いエールに感化されたもので、第4位という大きなポジションに、自分なりに応える新たな決意表明だった。
結果発表から一夜明け、6月7日の朝、Google+にはこんな投稿が上がった。
「お疲れ様でした。みなさん、本当にありがとうございました。何度いっても、いいたりません。みなさん、スタッフさん、たくさんの先輩、後輩、同期。みんなからのおめでとうが本当に嬉しかった。ステージに立つのが怖かった。どんな結果でも、客席の反応が怖いと思ってしまっていました。平気な顔して、ずっと一人で舞台裏にいたときに、柏木(由紀)ちゃんが肩を叩いてくれて、すごく落ち着いた。かんがえをかえなきゃ、といまは、すごくおもっています。四位にふさわしいメンバーになれるよう、さらに、がんばります! 本当に本当にありがとうございました!!!!!!! …地方組!っしゃー!←これだけは素直に喜ばせてください。笑」
“ヘタレ”として知名度を上げた彼女が、「ヘタレじゃない私になってしまうかも」と不安を抱えながらも、その称号を捨てて成長していくことを決意し、さらなる高みへ第一歩を踏み出した。その姿は、まぎれもなく国民的アイドルグループを牽引する“神”の一人にほかならない。