ディズニー・チャンネルはスティッチ映画公開から10周年を迎えるに当たたってTVアニメ最新作「スティッチと砂の惑星」を日本で制作し、6月16日(土)に放送することを発表した。今作品はユウナと沖縄に住むスティッチが惑星戦争に立ち向かうためユウナと別れ、地球を離れるところから始まり、ユウナと離れる前の思い出作りに鳥取へ旅行するシーンがあるなど、日本制作らしい作品となっている。
新作公開に当たりスティッチの声を担当している山寺宏一氏にインタビューを行った。
――スティッチが10周年を迎える今のお気持ちは?
最初は劇場用のアニメでしたからこんなにたくさんのシリーズができて、10年もやらせていただけるとは正直思いませんでした。最初どんな企画なんだろうって思いました。作り出されたエイリアンということで、不思議なキャラクターですから。それに強暴だし、破壊活動を続けているし。よだれも垂れていて見た目も不思議な感じじゃないですか、しかも声が特徴的だし。自分にこんな声ができるのかっていうことと、このキャラクター人気が出るのかなって思いました。でも10年も続けられているということは支持されて愛された証拠ですから、非常にうれしいことですね。
――スティッチの声はどうやって今の声になったのですか?
オリジナルは監督さん自ら声を当てているんですよ。それになるべく近い声でやってくれとオファーが来て、できるかなと思ってやってみて、一応OKにはなったのですが、今でも発声法に関しては苦労しています。こもったようなはっきりしない声を喉の奥の筋肉を使って出さなければいけないですから。聞いた感じは低いんだか高いんだかはっきりしないし、とにかく難しいんです。それを日本語でやっている人はいないわけで。エイリアン語の出し方の方がやりやすいですね。日本語でやるとさらに難しさが出ちゃうんです。だからスティッチの演技よりも発声法の方が難しいですね。でもその発声法じゃないとスティッチらしさが伝わらないと思うし、見てくれている子供たちにも気持ちが伝わりにくいと思うので頑張ってそのやり方でやっていますけど、今でもうまくできているとは思っていません。たまにすごいうまい人が僕に対抗してまねしてくるんですよ! 似てたりすると焦ったりして。何ならこれからやる?みたいな冗談も言ったりしています。
――自分とスティッチに共通点があるとしたらどういうところですか?
昔から物まねをするのが大好きで、小さい頃からいろんな声を出すのが好きだったんです。面白い声を出している人を見るとまねしたくなるのは小さい頃からの習性みたいです。そういう意味じゃスティッチもとっても頭がいいですから、初めはガルーしか言えなかったのがいろんなことを吸収して日本語もしゃべれるようになっているんですよね。そういうところではスティッチと共通する部分があると思うんです。まあこの年になると吸収力は弱ってくるんですけどね(笑)。でも今でも吸収したいなって思う気持ちや、新しいことを自分のものにしたいと思う気持ちは衰えてないです。努力しているところは共通している部分だと思います。
――ディズニーキャラクターの中で一番思い入れがある声は?
やっぱりスティッチでしょうね。普通の声ではないので、まず発声が難しいです。それに人間ではないキャラクターをやること自体が大変ですから。ものすごく練習しました。だから世界のスティッチの声をやっている人に聞いてみたいんですよね、どんな風に声をだしているか。そして友の会を作ろうかなって(笑)。お宅はどんな感じ?みたいに。とにかくもっと声について勉強したいんです。だからまたシリーズができればやりたいですね。実践が勉強みたいなものですから。スティッチの仕事をするときはいつも心して掛かります。いまだに日々勉強なんですよ。戦いです。
――最後にスティッチと一緒にやりたいことはありますか?
スティッチは何でもできちゃいますから、今回の作品でバンドが出てきましたけれども2人でコンサートをやるのもいいですね。って両方とも俺が歌わなきゃいけないのか(笑)。じゃあスティッチにギターをやってもらって、俺がボーカルをやってB'zみたいな感じで。そしたら気持ち良いかなって思います。スポーツだったらボーリングですかね、僕ボーリングが好きなんです。でも逆にスティッチは力がありすぎてピンを壊しちゃいそうですね。
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