「リーガル・ハイ」ついに最終回!堺雅人の早ゼリフは「小津映画の影響」

2012/06/26 07:00 配信

ドラマ

黛(新垣結衣)が古美門(堺雅人)の元を去って、一年。2人は穏やかな雰囲気で再会を喜ぶが…

民放の春ドラマが次々最終回を迎え、当初からドラマファンの間で面白さNo.1と評判だった「リーガル・ハイ」(フジ系)もいよいよラスト! 第8話で自己最高の14.5%(ビデオリサーチ関東地区調べ)を記録し、「オリ★スタ」読者が選ぶ『春ドラマ☆AWARD2012!!』でも作品賞ほか3冠を獲得、怒涛の快進撃を見せている中、いよいよ6月26日(火)に最終話を放送する。第11話のあらすじとともに、堺雅人の演技の源や、堺だからこそ演じきれた古美門の魅力に迫ってみる。

人気の秘密は堺演じる古美門研介のハイテンションキャラ。ドラマウォッチャーとして知られる漫画家のカトリーヌあやこさんは、「よどみなく繰り出される長ゼリフに、研ぎ澄まされた滑舌&毒舌。ハイテンションにさく裂するイヤミの中で、ごくごくかすかにこぼれる人情味。まさにこのドラマ、堺(雅人)の独擅場」と絶賛する。

堺自身、さまざまなインタビューで件の“長ゼリフ”と“早口”について語っているが、このたび新事実が発覚した。なんと今回挑戦している早ゼリフは、日本映画の巨匠、小津安二郎の作品にインスパイアされたというのだ。

'60年代の日本映画を今見ると、役者が早口だと感じることがある。「小津(作品)もあの時代は早いですよね。黒澤(明監督作)だって、60年代はけっこう早い。(今回)早口でぶっきらぼうにしゃべろうというのは、小津を見てちょっと思ったんですよね。思ったより早いなって」とは、先日発売された「リーガル・ハイ 公式BOOK」での堺雅人のコメント。同書に収録されている脚本・古沢良太とのロング対談の中で、堺はまた以下のように本心を明かしている。「今、噛んで含めるようなお芝居ばかりやっているでしょう?(中略)それが嫌だったというか、飽きてきたのかも」。

振り返ればこれまでも、実在の政治家を彷彿させたり、人気子役を題材にしたりと、時事ネタをシニカルに料理してきた。第8話では絶縁した父親が登場し、俄然シリアスな展開に。“早口”が堺の反骨精神の表れだったように、同い年の脚本・古沢良太も硬派な筆がノッて来ていると見る。最終話でも、さらなる2人の“戦い”が見られることは確実だ。

【最終回あらすじ】公害訴訟をめぐって黛(新垣)が古美門(堺)の元を去って早1年。公害訴訟で古美門側の証人となった佳奈(田畑智子)が、新しい勤務先・フロンティアケミカルラボで不当解雇され、黛が弁護を担当することに。黛は古美門に手伝ってほしいと頼むも、多忙を理由に古美門は拒否…でも、今まで何だかんだ助けてくれた古美門に、黛は淡い期待を持ちながらも裁判初日を迎える。法廷の場で待ち受ける黛の前に、仙波化学弁護士の三木(生瀬勝久)とフロンティアケミカルラボの代理人として古美門が現れる。天敵の三木と手を組んでいた古美門に、黛は弁護士倫理に反すると反撃! 黛は“古美門には絶対なれない弁護士”を目指し、大貫(大和田伸也)や杉浦(正名僕蔵)、古美門の父・清蔵(中村敦夫)にアドバイスをもらいに行く。