「裸を見せるのには抵抗がありました」裸踊りの格好で幽霊役を演じる小日向文世にインタビュー!!

2012/07/02 08:00 配信

ドラマ

「赤い花束」で幽霊の中年サラリーマンを演じる小日向文世

NHK BSプレミアムでは、人気漫画家・高橋留美子の短編作品集を初ドラマ化した「プレミアムドラマ 高橋留美子劇場」を、7月8日(日)、15日(日)の2週にわたり放送する。同作は、原作の短編作品3本をより合わせて一つの世界観にまとめて描いたもので、7月8日(日)には第一章「赤い花束」を、7月15日(日)には第2章「運命の鳥」の全2話での構成となる。

今回は、第一章「赤い花束」で裸踊りの格好で自分自身の葬儀に出席することになった幽霊の中年サラリーマン・吉本一を演じる小日向文世に合同インタビューを実施した。

――奥様の後押しがあって出演を決めたとのことですが、どのように説得されて出演を決めたのですか?

最初にスタッフから高橋留美子さんの漫画、短編を渡されて面白いなと思ったのですが、裸になっておなかに絵を描かれることにちゅうちょしました。それを女房に話したら、高橋留美子さんの作品なら絶対にやったほうがいいと言われたので決意しました。確かに裸になることには少し抵抗があったのですが、高橋さんの作品に出演できて本当に良かったです。

――実際に現場に出て絵を書かれた感想は?

とにかく恥ずかしかったですね。お葬式のシーンではエキストラの人がたくさんいるんですけど、みんな下を向いて笑いをこらえていました。腹筋が割れていてたくましい体ならいいんですけど、50代後半の体は見せるものではないですね。裸踊りをしていて心筋梗塞で倒れるシーンはほとんど即興でやったのですが、裸踊りをやったことがなかったので恥ずかしかったです。

――幽霊を演じるにあたって心掛けたことや表現したかったことはありますか?

どちらかというと人間味のあるリアリティーな感じを出して演じようと心掛けていました。幽霊だけど、腹を立てたり、悲しんだりして本当に素直な感情を出していくことを意識していました。

――せりふを発してもそれに返してくれる役者さんがいないのは一人芝居に近い感じだったと思うのですが、難しかったですか?

幽霊という役を演じたことはなかったのですが、想像をしたことはあったので難しいというより演じていて楽しかったです。自分の近くで演じていた原田美枝子さんはずっと吹きそうな顔をしていました。

――会見で情けない役柄が多いとおっしゃっていましたけど、小日向さん自身はどのような演技を意識していますか?

僕は、人と人との感情のぶつけ合いがお芝居の本質だと思っています。悲しいとか辛いとかうれしいという気持ちを想像しながら演じています。僕自身小さい頃そのような思いをたくさんしてきたけれど、俳優になって役立っていると感じます。

――これからやってみたい演技はありますか?

50代前半の頃は、おじいちゃんの役をやりたいと思っていたのですが、自分が初老の年になってくるともっと若い役がやりたいと思ってくるんです。でもこの年とこの体付きで恋愛というのはないだろうと思っています。年をとっていくのは悲しいけど、年をとって長生きするっていうのも素晴らしいことだと思ってもらえるような演技をしたいですね。これからそのような役を演じることが多くなると思うので、おもいっきりぶつかっていって年をとることに希望を持たせたいと思います。