洋画専門放送のザ・シネマでブラッド・ピット主演の話題作「イングロリアス・バスターズ」が8月に放送されることが決定。それを記念し、オリジナル特別番組「タランティーノ・マジック!~鬼才とスターのコラボ・ワールド~」を同月に放送。映画俳優の千葉真一が出演する。
その番組の取材会が都内で行われ、クエンティン・タランティーノ監督自身が大ファンであり「キル・ビル」にも出演した千葉に、タランティーノ監督の印象などについて聞いた。
――タランティーノ監督とはどんな方ですか?
面白い方ですね。そして、繊細な方だと思います。撮影中は、人生でこんなに楽しいことはないんじゃないかという顔をして仕事してらっしゃいますけど、そこは日本の深作欣二監督と似ています。深作さんも「こんな面白いことをやっているのに、飯を食うのか」って飯の時間まで、そういうことを言う人だったんですけどね。クエンティン(タランティーノ)が初めて日本に来たときに、深作さんと僕を訪ねて来てくれたんです。深作さんが「クエンティン・タランティーノって知っているか? お前のファンでな。お前に会いに来たんだ」と電話で紹介されて、その後に、2人で日本酒を三升を開けましたね。彼は日本酒が好きで、日本のことをよく勉強していて、非常に盛り上がりました。
――そのとき、千葉さんはどのくらい、タランティーノ監督作品をお知りだったでしょうか?
何も見ていなかったですね。「レザボアドックス」という作品を撮った日本の作品が好きな、変な監督がいるって、ちょっと話題になっていて、なんとなくそういう話を聞いていたんですよ。それで、マスコミの人からもタランティーノが千葉に会いたいっていう話を聞いていて、どんな人がどんな映画を撮ったのかなって見たのが「レザボアドックス」でした。それを見たら、日本の男の友情のようなものをまさに描いたものじゃないかと。非常に面白いなと思って、安い映画の割には中身は良くできているなというのが最初の印象だったんです。その映画の話を彼としていて、飲めば飲むほど、盛り上がりました。
――意気投合して、この監督と一緒に仕事してみたい、という思いになったんでしょうか?
日本のことに非常に興味を持っていて、しかも、僕の出演作の「影の軍団」シリーズを150本くらい持っていると聞いたときに、この人とやってみなきゃと思ったんですよ(笑)。僕の良いところを引っ張り出してくれるかなと。それが「キル・ビル」の服部半蔵でした。
――タランティーノ監督が千葉さんから受けた影響についてはどう思っていますか?
「影の軍団」シリーズをそれだけ持っているってことは、非常に興味を持ってくれていたと思うんです。「キル・ビル」に出演したユマ・サーマンや、ルーシー・リューに大きな体育館で、僕が殺陣を教えているときに、そこに、大きいテレビを持ってきて、クエンティン(タランティーノ)が、みんなを昼休みに集めるんですよ。「みんな、見ろ見ろ」って言って。何を写しているかって、「影の軍団」を写していたんですよ。本当に好きだったようですね。
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