テレビ朝日系で、毎週日曜夜9時から放送中の「日曜洋画劇場」でナレーションを担当する大塚明夫にインタビューを敢行。ナレーションに対する考え方や、ちょっぴり意外な映画の趣味について、そして45周年の歴史を誇る「日曜洋画劇場」への特別な思いや、7月29日(日)に放送される「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」の見どころまで、余すところなく語ってもらった。
――「日曜洋画劇場」でナレーションを担当されて、周囲からの反響はどうですか?
ナレーションをやり始めた当初より、長くやってきたことで「ああ!」と認識していただけるようになりましたね。
――まさしく大塚さんの声を聞くと「あ、日曜洋画劇場が始まる!」という気がします。
うれしいことに、そういう声を最近よく耳にします。長くやってきた甲斐があるなあと実感しています。
――ナレーションをされるようになってから、映画を見る機会は増えましたか?
そんなに変わりません。もともとケーブルテレビとかでも映画を見ていたので。最近は劇場に行かなくても気軽に自宅で見られますしね。もともと映画を見るのは好きですし。
――ちなみにどういったジャンルの映画が好きですか?
どうも最近気がついたのは、子供が主人公のファンタジー映画が好きだなということ(笑)。なんともタイムリーでしょう!
――それはまたどうして好きなのですか?
なぜでしょう…。やはり大人が主役を演じている作品を見るときは、芝居をよく見て盗もう、学ぼうという感覚が日常的にあるんですよ。どういう芝居をするのかとか、どういう息のつき方をするのかとか、そういうことを分析するのが自分のクセになっているので、子供がメインのものの方が素直に楽しめるのかな。
――ナレーションと吹き替えの違いというか、それぞれどのあたりに注意してやっていらっしゃいますか?
もう歴然とした違いで、ナレーションというのは“マイクに向かってしゃべる”という感覚です。基本的にせりふというのは“誰か相手に向かってしゃべる”ということですからね。せりふは不特定多数に向けて放たれるものではないんです。なので、言葉の方向性というものが全く別モノです。気を付けるまでもないくらい別なものだと僕は思っています。
――これから放送される作品を的確にキチッと表現するということですか?
“キチッと”というか“的(まと)”ですね。話すときにちょうど良い距離ってあるじゃないですか。例えば、至近距離ですごく大きな声で話していたら違う意味が加わりますよね。言葉は遠くに放ちすぎてもいけないし、ちょうど良いところに放つもの。それで会話という空間が成立すると思うんですよ。周りの環境やノイズとかで変わってくることもありますし。逆にナレーションというのは基本的に空間によって意識を変えていく必要がないですよね。そういう意味ではせりふの方が複雑なのかな。
――大塚さん個人の意見としては、好きなのはナレーションなのか、アニメの声優なのか、あるいは吹き替えなのか、差はありますか?
それぞれ面白いので、どれが特別好きということはないです。好き嫌いではなく面白いと感じる瞬間はせりふの方が多いかもしれませんが…。
――さて、「日曜洋画劇場」は45周年ですが、これだけ長く続いた要因はどこにあると思いますか?
やっぱり“テレビ朝日の日曜洋画劇場”というのは昔から金看板ですからね! 局の方々自体にも「なくしちゃいけない!」という思いが強いのではと思っています。日本で劇場に行けない忙しい方が「日曜日は家で映画を見よう」って気楽に見られる、これは日本人のなくしちゃいけないスタイルの一つだと思うんですよ
――ちなみに7月29日(日)は「ナルニア国物語」が放送されますが、大塚さんから見た魅力とは?
「ナルニア国物語」は好きな作品です。魅力は、やはりあの子供たちですよね。主人公たちに感情移入しやすいと思います。あとは、CGを駆使した映像も見ていて楽しいですね。小さい頃の気持ちをちゃんと覚えている人がいるものなんですね。そういう大人の心をくすぐってくれるようにできている。自分が大人であることを忘れられるというところですかね!
――本当に大人のファンタジー心をくすぐりますよね!
子供に感情移入するのって難しいんですけど、それができたときはすごく面白いですよね。ましてこの映画はその辺にいそうな子供が出ているじゃないですか。めったに見ない美少年や美少女じゃなくて、割とどこにでもいそうな子供が出ていて、それがまたいいんですよね(笑)。
――最後に「日曜洋画劇場」、そして大塚さんの声を毎週楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。
これからも「日曜洋画劇場」を応援してください! …というのは当たり前過ぎるかな。でも、日曜洋画劇場も番組公式Twitterをやっているので、生の声を届けていただけるときっとやりがいが出ると思います。手紙とかを送るのは大変かもしれませんが、Twitterならすぐにできますし、意見がストレートに届きますので。番組の送り手と受け手で、気持ちを交わせられるとうれしいです!
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