ロンドンオリンピックの開会式が7月27日(現地時間)に迫り、8月12日(現地時間)の閉会式まで、4年に1度のスポーツの祭典が開催される。開会式に先立ち、男女サッカーの予選リーグは始まっているが、今大会で最も視聴率を取る競技は何になるのか?
もちろん、日本人選手のメダルが期待される種目が高視聴率を獲得するであろうが、前回の北京オリンピックの1時間と違い、今回は8時間もの時差(イギリスがサマータイムのため)があり、人気競技の決勝の生中継が深夜になることも多々あるため、単純にメダル獲得が期待される種目が高視聴率を取るというわけでもなさそうだ。
前回の北京五輪の際に最も高視聴率だったのは開会式の37.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。ちなみに、閉会式も25.1%と高かった。
競技では金メダルを獲得した女子ソフトボール・決勝の30.6%。平日ながら夜7時30分からの3時間という放送時間も、高視聴率につながったといえる。今大会でソフトボールが実施されないのは、テレビ的にも非常に残念であろう。
それに続いたのが女子マラソンの28.1%。直前に野口みずきが出場を取りやめるなど、残念ながら日本人選手のメダル獲得はならなかったが、バルセロナ五輪('92年)から4大会連続で日本人選手がメダルを獲得していたこと、特に直前2大会は金メダルだったという期待値の高さと、日曜日の朝8時からという放送時間も重なり、高視聴率となった。
3位にはレスリング・決勝・女子フリースタイル63㎏級と72㎏級の前半で26.0%(後半は22.8%)。63㎏級では伊調馨がアテネ五輪に続く2大会連続の金メダル、73㎏級では浜口京子が、これもアテネ五輪に続く2大会連続の銅メダルと、2種目とも日本人選手がメダルを獲得し、かつ、浜口京子はもともと認知度も高い選手であり、放送も日曜日の夜6時台ということが高視聴率につながった。
4位には柔道・決勝・女子78㎏超級・男子100㎏超級という、男女とも最も重い階級の試合が25.4%を記録。女子は塚田真希が銀メダル、男子は石井慧が金メダルと、これも2種目とも日本人選手がメダルを獲得した種目となった。
ここまでが25%以上の視聴率を獲得した競技であったが、吉田沙保里が金メダル、伊調千春が銀メダルを獲得した女子レスリングなどを土曜日の夜6時から放送した番組も24.9%と続いた。
以上の5種目はアテネ五輪でもメダルを獲得していた競技(選手)であったため戦前の期待値が高かった。さらに、試合時間がある程度かかるか、複数種目でメダルの可能性があり視聴者が長い時間テレビを見ることになったために、番組単位として平均視聴率で高いポイントを獲得したと考えられよう。
こうしたことを踏まえ、ロンドン五輪で最も視聴率が高いのはどの競技になるのか? すでに競技が始まった女子サッカーの初戦・カナダ戦は、深夜0時20分からの放送でありながら、11.8%の視聴率を取った。なでしこジャパンはメダルへの期待値も高く、今後も高視聴率を記録する可能性は高い。決勝まで進めば、その放送時間は8月9日(木)深夜3時45分ごろから。また、夜9時台を中心に連日放送される柔道の決勝も、男女ともに日本人選手が決勝に進んだ日はかなりの高視聴率が期待される。
ほか、8月2日(木)の朝に放送される体操・決勝・男子個人総合も、内村航平の活躍によっては出勤前の社会人も見ることが可能な時間だけに、25%を超えてくるかもしれない。
北京五輪で連覇を達成し、今大会で三連覇の偉業がかかる競泳・男子200m平泳ぎの北島康介は、前回は平日の午前中の放送で、しかも競技の数分しか見ない視聴者も多いということから、番組的には19.4%と思ったほどの視聴率は取れなかった。今回も8月1日(水)深夜の放送と視聴率的には厳しい時間帯だけに、どのくらいの数字を叩き出すか見ものである。
開会式前から興味が尽きないロンドン五輪。さて、あなたは何を見る!?
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