熱戦が続くロンドンオリンピックだが、今大会のシンクロナイズドスイミングの国際映像制作にNHKが協力する。オリンピック放送は、オリンピック放送機構(OBS)をホストとして、世界各国の主要な放送局が分担して撮影を行い、世界中のテレビ局に配信している。今回、NHKがシンクロの撮影に技術を提供することになった理由に、水面合成カメラ「ツインズカム」の存在がある。
この機材の特徴は、ワンセットとなった2つのカメラが、それぞれ水上と水中を撮影し、自然な1つの映像に合成することができるというもの。カメラを2つに分けたのは、1つのカメラのレンズの半分だけを水につけて撮影する方法では、水と空気で光の屈折率が異なるので、水中部分の被写体が水上より膨張して映ってしまうから。ツインズカムは世界でもNHKにしかない独自開発の機材で、いままで国内大会などの中継を用い円滑なズーム操作を可能にするなど、運用面で改良を重ねてきた。そして今回、OBSからの協力依頼を受け、初めてオリンピックの大舞台に投入することになった。
NHKによれば、水上の美しい演技を作り出すための難しい水中の動きや、ジャンプの高さを確保するための水中でのコンビネーションの撮影など、これまでにない演出でシンクロ中継を伝えていく予定だという。なお、シンクロは日本時間の8月5日(日)夜から各局で中継される。
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