大泉洋、鈴井貴之が出演する北海道テレビ(HTB)制作の人気バラエティー「水曜どうでしょう」の制作陣が本気で挑むスペシャルドラマ「幸せハッピー」の撮影が、このたび無事に終了。キャスト、制作陣がクランクアップ会見に臨んだ。2012年内に放送予定。
同作は、「水曜どうでしょう」のディレクター・藤村忠寿氏が演出、嬉野雅道氏が企画を担当した。夫とともに札幌の製麺所を営む女性・勝又花子(渡辺えり)を主人公に、ある日、突然、大事な人を失ったことによるさまざまな思いを描くヒューマンドラマ。撮影は8月12日~8月23日まで、オール北海道ロケで行われた。
渡辺のほか、花子の亭主・信一を大谷亮介が、2人の娘・勝又琴絵を吉本菜穂子がそれぞれ演じ、製麺所の従業員・酒田役には根岸季衣が起用された。その脇を、菊地梨希、酒井敏也、占部房子、志賀廣太郎らが固める。
当日のクランクアップ会見には、渡辺、大谷、吉本、酒井、子役オーディションで札幌から抜擢された菊地、さらに、脚本の青木豪氏、演出の藤村氏、企画の嬉野氏が顔をそろえた。
渡辺は「山形出身なので、昨年の震災についてはものすごく強い思いがあります。脚本の青木豪さんが震災の影響で(脚本を)書けなくなって、1年がかりで書き直したというところも、その正直な心が脚本に出ていると思います。震災から1年以上たって、どういう風に生きて行ったらいいか、(役の)花子と一緒に考えていく脚本になっています」と、自身の経験とドラマの物語を重ね合わせる。
続けて、「幸せハッピーというタイトルですが、ハッピーエンドではないんですね。ハッピーエンドを作っていくのが私たちだし、見ている人たちだと投げかけているラストがとても気に入っていますが、役者の演技のやり方が何通りもあり、毎日格闘しながらやっています」と熱く語った。
渡辺演じる花子の夫役・大谷は「昔から知り合いの芝居仲間と北海道で撮影できるとあって、ワクワクして来ました。北海道という広いところで(撮影しているので)、東京とは違う時間の過ごし方みたいなものがうまく画面に出るといいなあと思いました」と、充実した撮影だったことを匂わせた。
また、勝又家の家族と仲のいい寺の住職・千倉稔役の酒井は、「(今回の稔役は)まるであてがきのような役で、セリフもすぐに入ってきますし、知り合いも多いので非常に楽しい現場です」とコメント。
花子の娘・勝又琴絵役の吉本も「制作スタッフの作品に向かう情熱、そして、作品にかける思いに特別なものを感じます。出来上がりを見るのが楽しみです」と笑顔を見せた。
花子の孫・幸役の菊地は5歳ながら「ドキドキもするし、悲しい時は本当に悲しくなる」とすでに役者魂が芽生えている様子。演出を担当した藤村氏も「この役者陣の中で全然負けてない! すごいですよ」と絶賛した。
最後に藤村氏は「すごいものが撮れているという感じがひしひしとあります。とにかく役者さんがすごい! すでに衣装合わせの時にその役にしか見えなかった。どのカットも見応えがあって驚いているくらいです。芝居のやり方も何通りもあるので、ずっと考える日々…。そのためか頭髪が抜けるほどです」と、笑いを交えながらも真剣な表情で心境を語った。
「当たり前にあったものが、ある日突然なくなったら」…誰にでも起こりうる状況を、“問い”として視聴者に投げ掛ける。「水曜どうでしょう」の“笑い”とは全く違う路線で、藤村&嬉野コンビが真剣に挑んだ今作の放送が待ち遠しい。
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