BS朝日で毎週土曜に放送中のドラマ「青空の卵」で主演を務める、阿久津愼太郎と井上正大にインタビューを行った。
同ドラマは、坂木司原作の同名小説をドラマ化。自称「ひきこもり」のコンピュータープログラマー・鳥井真一(阿久津)と、そんな真一をどうにか家の外に連れ出そうとしている同級生で保険会社勤務の坂木司(井上)が、巻き込まれた事件の謎を解きながら、人と出会うことによって成長していく姿を描く癒やし系ミステリー。
今回連続ドラマ初主演を務める阿久津は「この話をもらった時は、うれしいと思うと同時に主役を務めるという面に不安を感じましたが、原作を読んでいくうちに、鳥井という役が自分と近い部分があることに気付き、それが自信となり撮影に臨むことができました。僕自身、人間関係をうまくつくれなかったり、思ったことを言えなかったりするので、鳥井と似ているなぁと思うんですね。だから鳥井という役を僕が演じる意味は、似た性格を持つ自分自身を通して、いかに鳥井という人間を表現できるかだと思ったので、あまり演じようとはしませんでした。相手から受け取ったもの、伝わってきたものや、その場で生まれた感情を一番大事にして、それがストレートに伝わればいいなと思いました」
一方、井上は「表現すること、伝えることが難しいドラマだと思いました。阿久津くんが演じる鳥井と僕が演じる坂木の友情物語なんですが、お互いのことが好きで、いなくては生きていけない存在なんですね。その関係は、素直な友情というわけではなく、深過ぎるように見えるかもしれない。でもそれは悪いことではなくて、距離の近い関係というのはお互いが成長するに当たって、すごくいいパートナーだと思うし、このドラマには人は人と触れ合わないと人間的に成長できないという裏テーマがには込められているんだと思っています。そこをうまく伝えることが難しかったですね」と役を演じた感想を語った。
若者たちが抱える問題や、友情などさまざまなメッセージを投げ掛ける同ドラマの魅力について阿久津は「鳥井は、世の中に対する不満や、違うと思っていても違うと言えない社会から距離を置いてしまったのですが、距離を置けずに苦しいんでいる人もたくさんいると思うんですね。そういう人たちが、鳥井と坂木の友情を見ることによって、ただのミステリーではなく、癒やし系ミステリーとして認識されたんじゃないかなと思います。今の世の中だからこそ、心に響く作品なんだと思います」
深い絆で結ばれている友情を表現する上で工夫したことについて井上は「空き時間はずっと二人で読み合わせをしてましたね。あと、阿久津くんが趣味としているアニメやコスプレの話をしたり、恋愛話もしました。僕はアニメのことをまったく知らなかったので、最初、阿久津くんが話している言葉が外国語かと思ったんですよ(笑)。撮影後半には(アニメの)語学力がかなりアップしていたと思います」阿久津は「移動時間がすごい楽しかったです。話が盛り上がってロケバスを降りたくない時もありました。同年代の共演者が多かったので、スタッフも合わせて仲はすごく良かったですね。クランクアップした時はすごく寂しかったです」と今でも連絡を取り合っているほどのチームワークの良さを語り、友情をテーマにしたドラマの撮影現場で本当の友情が芽生えたことを明かした。
自身の趣味でもあるという料理シーンが多かった阿久津は「見せる料理ってすごい難しいんですよ。現場でたくさん練習をしました。ひたすらネギを切っていました(笑)。1話の料理をする場面で、ネギを切った後に爪をかむというシーンがあったんですけど「臭い!」って思って(笑)。あれはもうやりたくないです!」と撮影中のエピソードを話し、「お菓子を作るのが好きなんですよ。クッキーとか、ガトーショコラとか。学校の部活でも食物研究部に入っていて、ビシソワーズやラザニア、あとナンも作りました。すごくおいしかったです」と多趣味な一面を見せた。
9月15日(土)から最後のエピソードに入るドラマの今後の展開について井上は「最終回に向けて鳥井の過去が明かされます。傷を背負いながら、世の中から逃げ、ここまでさまざまなことに向き合わずに生きてきた鳥井に、壁を乗り越えなければいけない試練が待ち受けます。その壁を二人で乗り越えていくさまを見ていただけたらと思います」阿久津は「8話では過去の回想シーンや感情の流れが激しいシーンがたくさん出てきます。見ていると自然に気持ちが入っていくと思います。ぜひ見てください!」とアピールした。
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