11月16日よりヒストリーチャンネルで超大作ドキュメンタリー「MANKIND/人間史~わたしたちの物語~」がスタートした。
同番組は、エミー賞受賞スタッフ陣が手掛けたシリーズ物で、古代文明の発祥から帝国の繁栄、アメリカ大陸の発見、産業革命などの歴史的転換期を取り上げ、人類の文明史を全12話で壮大に描いていく。今回、番組冒頭のナレーションを担当した俳優の長谷川博己にインタビューを行い、番組への意気込みなどを語ってもらった。
――ある意味、最初の視聴者ということで、番組を見た感想を教えてください。
歴史ってうまく流れてるなと感じましたね。それこそ僕は子供の時からずっと疑問だったんですが、人間がどこから来てどこに行くのかっていう、人間のルーツを調べるっていうことは必然のことのような気がしますね。すごく見る気にさせてくれる作品だなって思います。
――ナレーションは、NHK総合で9月に放送された「TEAM 最高の自分になれる場所『美容家電の女たち』」に続き2度目の挑戦とのことですが、いかがでしたか?
声の表現というのは難しいことだなと思っていましたが、こういうオファーを頂けるのはうれしいことですし、またチャレンジしてみたいと思っていました。番組が違うと、やり方は全く違いますね。
――今回特に難しい部分はありましたか?
海外の物を翻訳しているので、英語のニュアンスだと強く言っているところを、日本語のせりふにすると同じふうに言えない部分もありました。でもそこは、監督と『こういう感じでやりましょう』という話をしながら進めていきました。ナレーションという仕事はまだ2本目なので、もうちょっといろんな表現をしてみたい気持ちになりました。
――舞台や映画、ドラマなどと違ってナレーションならではの仕事の魅力は?
自分の姿が映らないで、声の存在感のみで表現するというところが魅力ですね。作品によって変わりますが、今回の作品は割と冒頭の部分なので、少し力強くとか、ちょっと思わせぶりな感じでいくとか、抑揚を付ける感じでいろいろやってみました。
――録音したご自身の声についてはどう感じましたか?
昔は自分の声を聞くと違和感を感じたんですが、それってやっぱり自分の声に対して意識が足りないからだと思うんです。今は職業柄自分の声に意識はしていますし、そんなに違和感なども感じなかったですね。
――参考にされたナレーターはいないとのことですが、好きな声の方はいらっしゃいますか?
子供の時から好きだったのは、「まんが日本昔ばなし」のナレーションです(笑)。やってみたら面白そうだなって思います。
――大学で世界史を専攻されてたとのことですが、好きな時代はありますか?
江戸時代ですかね。
――時代物といえば初めてのNHK大河ドラマ出演も決まりましたね。
「大河だから」というよりは、ある意味どの作品も毎回同じ気持ちで取り組みます。
――'10年放送のドラマ「セカンドバージン」(NHK総合ほか)以降、特に注目を集めるようになって、戸惑いなどはありますか?
特にないですね。そんなにいいときも長く続きませんし、歴史と一緒で流れていくんだと思います(笑)。今はこうやっていろいろやらせてもらっていますが、そういう時期も皆さんあるでしょうから、普通にこういう時期はこういう時期でしっかりとやって、また落ち着いたらその時もしっかりやるだけです。
――今後やってみたい役柄はありますか?
選んでもらう仕事なので、僕がやる仕事を見て、この人は本当はこういうことがやりたいんじゃないかなって分かってくれるのが一番いいですよね。
――普段声で気を付けていることはありますか?
とにかく声は精神的なことが作用するので、コンディションの調整が一番ですね。リラックスしてやるっていうのが一番大事なことだと思います。「時間がもうない」「もうここで失敗できない」という状況でも、常にリラックスできる精神性みたいなのは心掛けています。ただ、どんなことでも緊張はしなきゃいけないと思っていて、それを楽しむくらいがいいんですよね。
――最後に、視聴者に向けてメッセージをお願いします。
知的好奇心をすごくかき立てられる作品なので、世代を問わず大人から子供までどなたが見てもきっと面白く歴史を知ることができると思います。ナレーションも聞いていただいて、感想を頂きたいです(笑)。
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